完全復活!『ジェイソン・ボーン』 【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第84回】

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さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回の「しゃベルシネマ」では、大人気のアクション・エンタテインメント『ジェイソン・ボーン』を掘り起こします。

9年の時を経て、新たなストーリーが始まる。

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マット・デイモンが、記憶を失った最強の暗殺者ジェイソン・ボーンに扮する人気アクションサスペンスのシリーズ第5作となる『ジェイソン・ボーン』。
『ボーン・アイデンティティー』『ボーン・スプレマシー』『ボーン・アルティメイタム』の3部作を手がけたポール・グリーングラス監督とデイモンが、9年ぶりにシリーズ復帰。

前3部作は記憶を失ったボーンが全ての記憶を取り戻すまでの物語。
そして新シリーズのスタートとなる今作は、ボーンがトレッドストーン計画に志願した理由と、ボーンの父の死の真相に迫る物語となっています。

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世間から姿を消してひっそりと暮らしていたジェイソン・ボーンの元に、CIAの元同僚、ニッキーが現れる。
彼女はCIAが世界中を監視・操作するための極秘プログラムを立ち上げたこと、そしてボーンにまつわる驚きの真実を告げる。
これをきっかけに、ボーンは再始動。
そして彼の追跡を任されたCIAエージェントのリーは、ボーンを組織に取り込もうと画策する…。

主人公ジェイソン・ボーンを演じるのは、もちろんマット・デイモン。
本年度アカデミー賞助演女優賞を受賞後、世界中の注目を集める若手女優アリシア・ヴィキャンデルをヒロインに迎えるほか、名優トミー・リー・ジョーンズやヴァンサン・カッセルが新加入。
ストーリーに奥行きを与える名演を魅せています。

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『ジェイソン・ボーン』を語る前に、是非とも触れておきたいのが、『ボーン』シリーズがアクション映画に与えた影響力について。
例えば、ハリウッドアクションは最近でこそマーシャルアーツが主流ですが、ハリウッドメジャー作でマーシャルアーツをここまで本格的に取り入れたのは、恐らく『ボーン』シリーズが初めてではないでしょうか。
またカーチェイスシーンも、技術の発達によりCGが多用されるようになってきた頃に、敢えて実際に車に乗り込んで生身のカーチェイスを繰り広げて時代の流れに逆行した表現方法を追求し、観る者の度肝を抜きました。

『007』や『ミッション:インポッシブル』といった人気アクションシリーズもリアルアクションを追求していますが、その先駆けとも呼べるのが、この『ボーン』シリーズ。
近年のアクション映画のトレンドを作り上げたシリーズ、と言っても過言ではないのです。

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そして本作でも、アクションシーンへのこだわりには唸るばかり。
これでもか!と言わんばかりの、グリーングラス監督お得意の手ブレ全開カメラワークは否応にも緊迫感を生み出し、1秒たりとも目が離せないほどスリリング。
また鍛え上げられた肉体が繰り出すマット・デイモンのアクションは、切れ味、迫力ともに申し分ないうえに、年齢を重ねたからこその円熟度も増して“凄腕のCIA暗殺者”というキャラクター設定にもより説得力が増しています。
これも主演マット・デイモンとポール・グリーングラス監督が揃ったからこそ生まれた、『ボーン』シリーズならではの醍醐味です。

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ジェイソン・ボーン
2016年10月7日から全国ロードショー
監督:ポール・グリーングラス
出演:マット・デイモン、トミー・リー・ジョーンズ、ヴァンサン・カッセル、ジュリア・スタイルズ、アリシア・ヴィキャンデル ほか
© Universal Pictures
公式サイト http://bourne.jp/

連載情報

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シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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