宇都宮駅「ダイジ飯」(800円)~雷都・宇都宮の自分で作るいなり寿し駅弁! 【ライター望月の駅弁膝栗毛】

烏山線EV-E301系

烏山線EV-E301系

宇都宮駅で発車を待つのは「烏山(からすやま)行」の列車。
列車は宇都宮から2駅の宝積寺(ほうしゃくじ)から烏山線(からすやま・せん)に直通します。
パンタグラフを上げていますので、この列車は『電車』です。
しかし、これから走る「烏山線」は架線の無い非電化路線。
この列車は一体、どうするのでしょうか?

EV-E301系

EV-E301系、烏山駅付近にて2014年撮影

なんと、パンタグラフを下げて、そのままやって来ました。
この車両、実は蓄電池(バッテリー)で走れる電車なんです。
従来、非電化区間の主役は、軽油で走るディーゼルカーでした。
しかし大容量のリチウムイオン電池が開発されたことで、日本初の蓄電池駆動電車として平成26(2014)年に登場したのがこの「EV-E301系」。
今のところ、烏山線だけで活躍していて「ACCUM(アキュム)」の愛称で親しまれています。

「ACCUM」は直流電化されている宇都宮~宝積寺間の東北本線は、架線の電気で走ります。
宝積寺の停車中にパンタグラフをガシャンと下げて、非電化の烏山線は蓄電池で走ります。
「ACCUM」は烏山線を走行中も、ブレーキをかけた時に発生する電力をしっかり充電。
車内のモニターでは、今「どんな電気」で走っているのか見ることが出来ます。
終点・烏山駅は「ACCUM」の停車位置に架線が張られており、充電設備が設けられています。

同じような蓄電池電車は10/19からJR九州の筑豊本線でもデビューします。(交流電車)
またJR東日本も来年春、九州の車両をカスタマイズして、秋田の男鹿線に投入する予定。
スマホを充電するように電車も充電して走る時代、今後が注目される「蓄電池電車」です。

ダイジ飯

ダイジ飯

さて「ACCUM」が走る宇都宮は「電気」と大きな縁のある街。
宇都宮は別名「雷都(らいと)」と呼ばれるほど、雷が多い街です。
雷の電気を貯めることが出来たらと思いますが、今はその技術が確立できていません。
ただ全く無駄なワケではなく、一説には雷の放電現象は空気中の酸素や窒素をイオン化、イオンが雨に溶け込んで土に天然の肥料を供給しているとも云われます。
昔から「雷が多いと豊作」といわれ、栃木の皆さんは、雷に畏敬の念を込め「雷様(らいさま)」と呼んでいるんですね。(参考:日本雷保護システム工業会ホームページほか)

そんな「雷様」ゆかりのご当地ヒーロー「雷様剣士ダイジ」とコラボレーションした駅弁が10/1から登場しています。
宇都宮駅弁「松廼家」が手がける「ダイジ飯」(800円)です。

ダイジ飯お品書き

ダイジ飯お品書き

「ダイジ」とは栃木弁で「大丈夫」の意味、また「大切」の意も重ねているそう。
ただ、この駅弁にとって「ダイジ」なことは、お品書きの一番下に書いてあること。

『好きな具を玄米いなりに乗せてみよう!組み合わせは無限大!』

なんと!この駅弁「自分でいなり寿しを作る駅弁」なのです!
それゆえ商品名に「お弁当箱の中でお料理しよう!!」というサブタイトルが!!

ダイジ飯

ダイジ飯

掛け紙を外すと、未完成の「玄米いなり」が5つ登場。
これに8つの具材をお好みで載せて「完成」となります。
気になる具材は、手前左から・・・

ごぼうの金平
ダイズチーズ
人参とレーズンのラペ
鶏の照焼
葱のぬた和え
かんぴょうの胡麻酢和え
椎茸煮
モロのフライ

「松廼家」には「玄氣いなり」という玄米のいなり寿し駅弁があります。
これをバージョンアップさせて『自分で作る』要素を入れ込んできたのは面白い!
1度食べても、2度目は違う味を楽しめる可能性を秘めています。
定着したら具を入れ替えたり、白米バージョンがあっても面白そう。
駅弁をエンターテイメントに昇華させるあたり、さすが栃木のご当地ヒーロー。
見かけたらぜひ『駅弁づくり』を楽しんでみては!?

(取材・文:望月崇史)

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