1冊の本が人と人をつなぎ、それぞれの人生を紡いで行く…

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【しゃベルシネマ by 八雲ふみね 第681回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。支配人の八雲ふみねです。シネマアナリストの八雲ふみねが観ると誰かにしゃベりたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

 

今回は、8月30日公開の『ガーンジー島の読書会の秘密』を掘り起こします。

1冊の本が人と人をつなぎ、それぞれの人生を紡いで行く…

リリー・ジェームズ主演<至福の>ミステリー

1946年、第二次世界大戦終結の喜びに沸くロンドン。作家のジュリエットは1冊の本がきっかけで、“ガーンジー島の読書会”のメンバー、ドーシーと手紙を交わすようになる。

彼とのやり取りを通じて、島での読書会とその創設者であるエリザベスという女性の存在が大戦中の島の人々を支えていた…というエピソードに感銘を受けたジュリエットは、タイムズ誌に読書会に関する記事を書こうと島を訪ねることに。しかし、そこにはエリザベスの姿はなかった。

島の人々と交流するうちに、ジュリエットは彼らが重大な秘密を隠していることに気づき…。

1冊の本が人と人をつなぎ、それぞれの人生を紡いで行く…

ガーンジー島は、イギリス海峡に浮かぶチャンネル諸島のひとつ。第二次世界大戦中は、英国で唯一、ドイツの占領下にあった島でした。

ナチによって郵便や通信網は止められ、島は完全に孤立状態。人々の生活の糧だった家畜も没収されるなど理不尽な統治が行われていましたが、なぜか文化活動だけは許されていたとのこと。そんな数奇な歴史を持つガーンジー島を舞台に、独創的な映画が誕生しました。

1冊の本が人と人をつなぎ、それぞれの人生を紡いで行く…

主人公のジュリエット役は、『シンデレラ』で主演を務め、類いまれな美貌で世界を虜にしたリリー・ジェームズ。本作でもその愛らしさは健在で、好奇心あふれる爽やかな女性を生き生きと体現。クラシカルなスタイルがよく似合い、ドレスアップした姿はもちろん、旅行ファッション、カジュアルな装いまで彼女の魅力を最大限に引き出しています。

共演には、ペネロープ・ウィルトン、ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ、マシュー・グードといった、リリー・ジェームズも出演していた人気TVドラマシリーズ「ダウントン・アビー」のキャストが勢揃い。英国実力派俳優たちが優美なハーモニーを奏でています。

1冊の本が人と人をつなぎ、それぞれの人生を紡いで行く…

ミステリー的要素に加え、ヒューマンドラマとしても見応えのある1作。書籍を通じて深まって行く人と人との絆が丁寧に描かれているので、本や読書がお好きな方にとっては共感ポイントも多いことでしょう。

すべての謎が解けたとき、何とも言えない至福感に包まれる、心温まるミステリー映画です。

1冊の本が人と人をつなぎ、それぞれの人生を紡いで行く…

『ガーンジー島の読書会の秘密』

2019年8月30日(金)からTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
監督:マイク・ニューウェル
原作:メアリー・アン・シェイファー、アニー・バロウズ
脚本:ドン・ルース、ケヴィン・フッド、トーマス・ベズーチャ
出演:リリー・ジェームズ、ミキール・ハースマン、グレン・パウエル、ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ、キャサリン・パーキンソン、マシュー・グード、トム・コートネイ、ペネロープ・ウィルトン
(C)2018 STUDIOCANAL SAS
公式サイト http://dokushokai-movie.com/

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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