在韓米軍撤収で日本に起こる“恐ろしいこと”

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月21日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。米軍撤退が囁かれる今後の東アジア情勢について解説した。

在韓米軍撤収で日本に起こる“恐ろしいこと”

米韓合同軍事演習が終了

8月5日から行われていた米韓合同軍事演習が20日に終了した。演習を巡っては、北朝鮮が短距離弾道ミサイルなどを立て続けに発射し反発を繰り返して来たが、演習が終わればアメリカとの協議を再開させる意志を示しているとされ、北朝鮮の今後の対応が注目される。

飯田)演習開始前の7月25日以降、1ヵ月足らずの間で6回も短距離弾道ミサイルなどを発射しています。

佐々木)北朝鮮は、表向きは威嚇的なことを言っているけれど、裏で何を考え、どういう交渉をしているのかはまったく違うので、単純に表に出ている情報だけでは真意はわかりません。米韓側も遠慮していて、読売新聞が8月10日に報じていますが、米韓合同軍事演習の名称はいままでの同盟を使わず、「米韓連合指揮所訓練」としています。北朝鮮を刺激しないようにしている。米韓朝の間で、かなり微妙な綱引きが行われている状況なのでしょう。ただ長期的に見ると、米軍としてはお金がかかるので韓国から撤退したい。韓国軍の指揮権は朝鮮戦争以降、米軍が持って来ました。

飯田)有事の際の指揮権は、ということです。

佐々木)これを、かつて韓国側は返してくれと言っていた。でも近年は、返されたら困るのでアメリカさん残ってくださいと言うようになりましたが、アメリカは「いや、返してくれとずっと言っていたのだから返すよ」と、よくわからない押し付け合いが起きています。多分、返すことになるのでしょう。

在韓米軍撤収の場合、日本はどうなるのか

佐々木)在韓米軍撤収ということになると、日本の第一列島線、沖縄から日本に至るところが中国・北朝鮮、もしくはその傘下に入ってしまった韓国との最前線になってしまいます。

飯田)奇しくも戦後に、当時の国務長官だったディーン・アチソン氏が敷いたとされる、アチソンラインが復活することになりますね。

佐々木)そうですね。対馬海峡が火種になってしまうという、恐ろしいことです。更に言うと、もう1つ恐ろしいことがあります。本当にそうなのかは分からないのですが、オーストラリアのシドニー大学アメリカ研究センターというところが出した、ある報告書が話題になっています。「米軍は危険なほど過度に負担を課されていて、衰退する軍隊である。太平洋を制圧する力はすでになく、中国と敵対できなくなる可能性がある」というレポートを出しているのです。つまり第一列島線どころか、第二列島線、グアム近海からとなる可能性もあって、日本は一体どうなるのだと。

飯田)そうですよね。そこをどう守るのか。

佐々木)保守側にも左派にも、対米独立と言っている人がいたではないですか。その望んでいた状況が、いやが応にも生まれつつある。でもその状況になったときに我々はどうするのか。

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