持ってる?ドーナツ盤時代の松田聖子 【GO!GO!ドーナツ盤ハンター】

昨今のアナログ盤ブームで、改めて注目されているのが歌謡曲のレコード(ドーナツ盤)。
デジタル音源より音に厚みがあり、またCDでは味わえないジャケットの大きさも魅力の一つ。
あえて「当時の盤で聴きたい」と中古盤店を巡りレコードを集めている平成世代も増えているようです。

そんなアナタのために、ドーナツ盤ハンター・チャッピー加藤が「ぜひ手元に置きたい一枚」をアーティスト別・ジャンル別にご紹介していきます。

前回は田原俊彦のシングルをご紹介しましたが、トシちゃんと同じ1980年にデビュー、今も第一線で活躍中の女性アーティストといえば、そう、松田聖子です。先月、通算82枚目のニューシングル『薔薇のように咲いて 桜のように散って』をリリースしたばかりですが、今回は80年代に発売された「ドーナツ盤時代の聖子」をゲットしていきましょう。

【ビギナー向け】・・・『風立ちぬ』(1981)

風立ちぬ,松田聖子

ヒット曲・名曲が並ぶ聖子ソングの中で、まず何を押さえるべきかと問われれば、まずはコレでしょう。通算7枚目のシングルで、デビュー2年目の10月7日、ちょうど今頃発売された曲です。前作の『白いパラソル』から作詞は松本隆が手掛けるようになりましたが、作曲ははっぴいえんど時代の盟友、大瀧詠一が担当。81年の松本・大瀧というと『A LONG VACATION』(通称ロンバケ)ですが、この曲も、もろナイアガラサウンド。詞の世界も、堀辰雄をふまえたまさに松本ワールドなのですが、そんなオッサンたちの悪巧みとは関係なく、このシングルは持つべき一枚です。ジャケットを見てください。見事なまでの「聖子ちゃんカット」!

若い方は信じないかもしれませんが、当時は街にこのヘアスタイルの女性があふれていたのです。まさに時代のアイコンだった証拠で、さらに注目すべきは、オッサンたちの趣味を通り越して、「聖子ワールド」がすでに完成していること。「ナイアガラ作品だから持っておく」のは失礼です。純粋に彼女の歌を聴き、このジャケを愛でましょう。そこには80年代の粋が詰まっています。

なお本作は出物が多いため入手しやすく、300円くらいで美品が手に入ります。

【上級者向け】・・・『Pearl-White Eve』(1987)

Pearl-White-Eve,松田聖子

こちらは『風立ちぬ』から6年後、11月にリリースされたクリスマスソングです。85年に聖子は神田正輝と電撃結婚→86年、長女(=神田沙也加)を出産→産休&育休を経て、87年4月に『Strawberry Time』で復帰。続いてこの曲がリリースされたのですが、母親になっても、しっかりオリコン1位を獲得したのはさすが。アイドルが結婚しても売れ続けるというのは、それまでの常識からするとあり得ないことでしたが、松田聖子の偉大な点は、いくつになろうとあくまで軸足を「アイドル」に置いていることです。そして、それが今なお成立しているのだからすごい。

Pearl-White-Eve-盤面,松田聖子

これも松本隆作詞ですが、作曲は当時新進気鋭のシンガーソングライター・大江千里。レコード盤が黒ではなく、クリスマス仕様で白盤なのも持っておきたい理由の一つです。500円〜1000円程度で入手可能。

【その他、押さえておきたい一枚】

『風は秋色』(1980)

風は秋色,松田聖子

3枚目のシングル。資生堂「エクボ」CMソング。
10代当時の可憐な表情が真空パックされたジャケは必携。

『ガラスの林檎』(1983)

ガラスの林檎,松田聖子

14枚目のシングル。松本隆・細野晴臣コンビの荘重なテクノ歌謡。
B面の『SWEET MEMORIES』が同時に聴けるので、これもマストバイ!

【チャッピー加藤】1967年生まれ。構成作家。
幼少時に『ブルー・ライト・ヨコハマ』を聴いて以来、歌謡曲にどっぷりハマる。
ドーナツ盤をコツコツ買い集めているうちに、気付けば約5,000枚を収集。
ラジオ番組構成、コラム、DJ等を通じ、昭和歌謡の魅力を伝えるべく活動中。
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