ミュージカルが苦手な人にこそ観てほしいミュージカル映画

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【しゃベルシネマ by 八雲ふみね 第672回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。支配人の八雲ふみねです。シネマアナリストの八雲ふみねが観ると誰かにしゃベりたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

 

今回は、8月16日から公開の『ダンスウィズミー』を掘り起こします。

ミュージカルが苦手な人にこそ観てほしいミュージカル映画

矢口史靖監督最新作! 最高に笑ってハッピーになれるコメディ・ミュージカル

一流商社で働くOLの鈴木静香は、ミュージカルが何よりも苦手。ところがある日、姪っ子と訪れた遊園地で怪しげな催眠術師のショーを見学したことから、「曲が流れると歌って踊らずにいられない」という“ミュージカルスターの催眠術”にかけられてしまう。

その日を境にして、携帯電話の着信音、駅での発車メロディ、テレビや街中で流れるあらゆる音楽に反応して、いつでもどこでも自分の意に反して歌い踊りださずにはいられないカラダになってしまった静香。

術を解いてもらおうと、彼女は催眠術師の元へ向かうが、すでに催眠術師の姿はなく。元の身体に戻るため、静香は催眠術師を探して日本中を駆け巡る…。

ミュージカルが苦手な人にこそ観てほしいミュージカル映画

『ウォーターボーイズ』や『スウィングガールズ』『ハッピーフライト』など、ヒット作を世に送り出している矢口史靖監督。どれも発想が豊かな矢口監督作品ですが、今作のテーマは、いま空前のブームを巻き起こしているミュージカル。日本発の最高にハッピーで楽しいコメディ・ミュージカルが誕生しました。

ミュージカルが苦手な人にこそ観てほしいミュージカル映画

ヒロイン・静香に抜擢されたのは、モデル、女優として活躍中の三吉彩花。オフィスでレストランで、軽やかに歌い踊る姿はミュージカルスターさながらの華やかさにあふれています。

共演には、やしろ優、chay、ムロツヨシ、三浦貴大と個性的な顔ぶれが実現。また、静香に催眠術をかける催眠術師役をミュージカル俳優のレジェンド、宝田明が扮しているのも興味深いところ。キャスト全員が吹き替えなしで挑戦したミュージカルシーンは必見ですよ。

ミュージカルが苦手な人にこそ観てほしいミュージカル映画

実は当初、突然歌って踊り出すミュージカル映画には抵抗を感じていたという矢口史靖監督。そこで「なぜ急に歌って踊るのか」という作品に対する自らの疑問に答える映画として本作を製作したとのこと。

時折見受けられる“ミュージカルが苦手”という嗜好性さえも逆手に取ってしまうアイデアは、矢口監督ならでは。しかし決してミュージカル映画を茶化すことなく、真摯にミュージカルと向き合うことで、難しいことは抜きにただただ楽しめる作品となりました。

ミュージカル映画好きはもちろん、「ミュージカルだったら観ない!」という人にこそ楽しんでもらいたい1作です。

ミュージカルが苦手な人にこそ観てほしいミュージカル映画

『ダンスウィズミー』

2019年8月16日(金) から全国ロードショー
原作・脚本・監督:矢口史靖
音楽:Gentle Forest Jazz Band/野村卓史
振付:Q-TARO EBATO(電撃チョモランマ隊)
出演:三吉彩花、やしろ優、chay、三浦貴大、ムロツヨシ、宝田明
(C)2019「ダンスウィズミー」製作委員会
公式サイト dancewithme.jp

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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