ロシア軍爆発事故~原子力巡行ミサイルが示す未来の恐怖

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月14日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。ロシアの軍施設で起こった爆発事故について解説した。

ロシアの軍施設で新型兵器の実験中に爆発事故~動力源は原子力

8月8日、ロシアの軍事施設で起きた爆発事故について、国営原子力企業ロスアトムのリハチョフ社長は12日、新型兵器の実験中に爆発が起きたことを明らかにした。アメリカのトランプ大統領は、原子力を動力源とするミサイルの実験が失敗したものだと指摘している。

飯田)ロシア北西部、アルハンゲリスク州の軍事施設で爆発事故があった。国営企業ロスアトムの職員5人が死亡したということですが、一時は放射線量が相当高くなったとありますよね。

高橋)SFの話みたいですけれど、原子力を使った推進というものがあって、乗り物に使うものだと原子力潜水艦、原子力船があります。日本でも発電しているような普通の原子炉を小さくして、船に乗せるというものです。原子力発電は制御されていて、ものすごくゆっくりとしたものです。制御できなくなって破裂してしまうと原爆です。その間の、少し原爆に近いような推進力。原子力の話で言うと、蒸気で熱や電気は出せるのですけれど、飛行機を飛ばすのは大変なのですよ。

飯田)推進力をどう生み出すかというところですよね。

高橋)だから原爆に少し近くなって、本当に核分裂、核爆発を小規模で使っていることが想定されます。

飯田)その爆発的な力でドンとやって、ということですか?

原子力によって永久に飛ぶミサイルの開発

高橋)原子力潜水艦もそうなのですが、基本的に永久に、ずっと出せます。だからこのミサイルも永久に飛ぶということです。ずっと空を飛んでいて、あるときどこかに行くというものです。とてもではないけれど対応できないでしょう。防御システムを全部抜けて行ってしまったり、年中ずっと飛んでいたり。

飯田)かつては戦略爆撃機が、常時飛んでいるということがありましたけれども。

高橋)あれは補給しないといけませんが、これなら少量の物質で、ほぼ永久的に飛んでいることも可能です。そういう研究もしているのですよ。これはずっと昔からあるのですよね。原子力をエネルギーに使って船、潜水艦、飛行機、いまは宇宙で使っているものもけっこうあります。

飯田)空気で燃焼させる必要がない。

ロシア軍爆発事故~原子力巡行ミサイルが示す未来の恐怖

燃料を大きくすれば核弾頭を積んでいるのと同じ

高橋)普通の原子炉とは違って、原爆に近いと言ったでしょう。だから、これは燃料なのか、本当の原子力ミサイルなのか微妙ですよね。

飯田)制御を間違うと、こういった事故が起こる可能性がある。

高橋)燃料を大きくすれば、普通のミサイルに核弾頭を積んでいるのと同じになるではないですか。技術が発展すると、いろいろなものが出て来てわけがわからなくなりますね。

飯田)確かにそうですね。いままでは弾頭部分と推進力で分けていたけれど。

高橋)エネルギーの部分を大きくすれば、弾頭ではなく通常のミサイルだと。核燃料を増やしたら核ミサイルと同じではないかと思いますけれどね。

飯田)射程を伸ばすために、燃料を増やしただけだと。

高橋)SFみたいなものが出て来てしまったから、どうするのだろうという感じですよ。どこかで歯止めを付けてもらわないと。米露でいいですけれど。

飯田)確かに核拡散防止条約などの、ある意味で範囲外の可能性がある。

高橋)「原子力船は入っていないでしょう」などと言われてしまいますよね。

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