中国がアメリカに農産品の輸入制裁措置~日本はどう進むべきか

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月6日放送)にジャーナリストの有本香が出演。中国がアメリカに行った制裁措置の影響について解説した。

中国がアメリカに農産品の輸入制裁措置~日本はどう進むべきか

中国政府がアメリカの農産品の購入を一時停止すると発表

中国商務省は6日未明、アメリカからの農産品の購入を一時停止すると発表した。アメリカのトランプ大統領が対中制裁関税第4弾の発動を表明したことへの制裁措置としている。

飯田)米中貿易摩擦と呼ばれるもので、市場が非常に動いておりまして、ダウ平均株価の終値は先週末と比べて767ドル27セント安の2万5717ドル74セントでした。取引時間中には961ドル下げた瞬間もあったようです。日本円との円ドル相場も、かなり円高の方向に動いておりまして、7時頭の段階で足元が105円65銭。放送をやっている最中で40銭、50銭近く値段が動いています。

有本)いま、東アジアが非常にホットな場所になっているということだと思うのですけれど、人民元も物凄く下がっているではないですか。

飯田)ええ。1ドル7元台になっています。

中国がアメリカに農産品の輸入制裁措置~日本はどう進むべきか

農産品の購入停止で、中国国内に出る影響

有本)東アジアの環境が大きく変わりつつあるという感じがしますよね。この農産品が中国側にとっての1つのカードです。アメリカもいろいろな産業界がありますが、農業界は非常に政治圧力の強い業界です。これが政治に影響を与えて来たのですが、中国がここのいいお客さんでした。特に近年、習近平政権になる少し前から、大豆については大変なお得意様だったのです。

飯田)中国でも大豆の採れそうなイメージがありますが、かなりアメリカから輸入をしているのですね。

有本)日本も昔はアメリカからの大豆を買うのをやめて、中国から買って牽制した時代もありました。いまの中国は自国内の需要が非常に大きいから、買わなければしょうがない。もう1つ、中国は共産主義の国ですから、何かあったときのために小麦などは最大限、自国内でまかなおうとします。大豆はその分アメリカやカナダから買えるので、いろいろなところから買う。いままでもアメリカに緩急つけていろいろなことをやっていましたが、この大豆を使うということです。
しかし、いま申し上げたように、中国国内の需要はどんどん膨らんでいます。アメリカからは買わないよ、と圧力を掛けてそのままでいられるかと言うと、そういう状況でもありません。

飯田)今度は国内が持たない可能性も、ということですね。そちらの方が習近平政権としては怖いのではないでしょうか?

有本)そうですね。ですから、これはけっこう危険なゲームの様相を呈しています。

飯田)そんななかで、北戴河会議というOBの方々が集まる会議があります。始まったのもわからなければ、終わったのもわからない。結論もよくわからない。

有本)だけど、大事なことがそこで決まっている。そういう時期ではあります。

飯田)そのタイミングでこういった政策が出て来ると、突き上げを食らっているのかとか、いろいろな憶測をしてしまいます。

中国がアメリカに農産品の輸入制裁措置~日本はどう進むべきか

20カ国・地域(G20)首脳会議(大阪サミット)に出席するため来日した、中国の習近平国家主席(中央)=2019年6月27日午後、関西国際空港 写真提供:産経新聞社

米中の間で日本にはどの方向へ動くべきか

有本)この時期になると、本当にいろいろな憶測が飛びますよね。私たちが考えなければならないのは、朝鮮半島が不明瞭な状況になって、そのなかで日本は韓国との関係をリセットしようという流れに来ています。中国に関しては、安倍政権もいまの中国との関係を戦略的に持ち直すというか、冷却していたところから表向き関係改善というようなことを言っています。でも、アメリカとのやり合いの状況如何では、中国との距離を適切に取って行かなければならない場面が出て来ます。当然すでに進んでいるのですが、生産拠点をもっと加速させて他へシフトして行く必要があって、それを政府がどのように後押しするかが重要です。

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