総理がハンセン病元患者家族に謝罪~身内を捨てた家族の壮絶な思い

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月25日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。安倍総理がハンセン病元患者家族へ謝罪したニュースについて解説した。

総理がハンセン病元患者家族に謝罪~身内を捨てた家族の壮絶な思い

ハンセン病家族訴訟で首相が控訴しないことを表明。垂れ幕を手にポーズを取る原告団。中央右は、林力団長、左端は原田信子さん=2019年7月9日午後、国会 写真提供:共同通信社

安倍総理がハンセン病元患者家族に謝罪

安倍総理は24日、ハンセン病元患者の家族が起こした裁判で国の敗訴が確定したことを受け、原告の元患者家族と総理官邸で面会した。直接謝罪し、今回の裁判に参加していない家族を含めた補償のための法整備を進める考えも示している。

飯田)24日、総理官邸で謝罪をしたということで、まずは原告の家族の皆様と面会し、直接謝罪した総理の音声をお聞きいただきます。

 

安倍総理)人生において大変な苦痛と苦難を強いることになってしまいました。内閣総理大臣として、政府を代表して心から深くお詫びを申し上げます。

 

飯田)面会には家族側から、原告団長の林さんら40人が参加しました。父親が鹿児島県内の療養所に収容された林さんは、面会後の記者会見で次のように述べています。

 

林原告団長)父ちゃん、ようやくここまで来たよというような思いがいっぱいになりました。これは原告の皆様方、全部がそうだと思います。現役の総理から労いの言葉や、これからの新しい立法に触れられるということは、素直にうれしいことであり、ようやくここまで来た。

 

飯田)原告団長の林力さん(94)の声を聴いていただきました。隔離政策を違憲とした2001年の熊本地裁の判決を受けて、補償金の支払いなどの救済は、患者とご遺族に限られたというところ。さらにご家族もそれを支えて来たということです。

総理がハンセン病元患者家族に謝罪~身内を捨てた家族の壮絶な思い

ハンセン病家族訴訟について、会見する原告側の人たち=2019年7月9日午後、東京・永田町の衆院議員会館 写真提供:産経新聞社

患者と家族が受けて来た差別への大変な思い

鈴木)そうですね。私は東京にある全生園という、ハンセン病の施設にずっと取材をしていて感じたのですが、患者はもちろん大変です。ですが家族の思いは同じだけ大変です。同じだけの苦しみを味わって来ました。患者があそこの家から出たということで、家族全体が差別を地域で受ける。家族はそれが耐えられませんし、差別をされたくない。それから、何と言っても病気になった当人が「俺のせいで家族に迷惑をかけたくない」ということで何をやったかというと、親子であろうが兄弟であろうが、縁を切って施設に入る。家族はとにかくそれを黙って過ごすという、同じだけの苦しみを味わって来た。2005年に小泉さんが、患者については本当に申し訳なかったと述べましたが、もっと家族についても早い段階で謝罪するべきだった。熊本地裁よりも前の判決で国が勝ったというのも変ですが、原告に対してではなく、国が勝ったときに国が和解をするくらいの姿勢が必要だったと思います。安倍さんが今回けじめをつけたことは評価すべきです。ですがその前の政権も含めて、遅かったと僕は思います。ポイントは、いまからやって行かなければならないことがあるということです。

飯田)立法措置をこれから行っていくということになります。

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