ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」（7月23日放送）にジャーナリストの有本香が出演。来日したボルトン米大統領補佐官が岩屋防衛大臣らと有志連合に関して協議したニュースについて解説した。

ボルトン米大統領補佐官（左）と握手を交わす河野外相＝2019年7月22日午後、外務省　写真提供：産経新聞社

ボルトン大統領補佐官、岩屋防衛大臣らと有志連合について協議か

来日中のアメリカのボルトン大統領補佐官は22日、谷内国家安全保障局長、河野外務大臣、岩屋防衛大臣と相次いで会談した。中東ホルムズ海峡などで船舶を防衛するため、アメリカが各国に参加を呼びかけている有志連合について協議し、日本に協力を求めたと見られる。

飯田）この有志連合への参加について、安倍総理は22日の会見のなかで、どういう形、どういう目的でやろうとしているのか伺ってみないと、何が求められているのか分からない、と述べております。慎重に判断する姿勢です。まず話を聞くということは、選挙が終わった直後の各局のインタビューでも答えていました。

有本）これは選挙の前から言われていたことですが、選挙期間中に、こういったことに対してどう対応するのかということが、まったく各党の党首クラスからも聞かれなかったのが非常に残念だなと私は思っています。ホルムズ海峡の安全を確保することが、日本にとっていかに大事な問題かということ。これは国民レベルでもあまり共有されていないと思うのですが、国民レベルどころか、各党の党首の意識がないときついですね。

飯田）原油だけでも、8割がホルムズ海峡を通って来ています。

ホルムズ海峡が不穏であることは世界経済にも大きく影響

有本）そうですね、日本の場合は8割くらいが中東から来ますからね。それはほとんどがホルムズ海峡を通って来ます。世界にとってもこれは重要で、世界の石油製品の3割以上は、そこを通るわけです。日本に直接関係するもの以外でも、ホルムズ海峡が不穏であるということになれば、世界経済にもすぐに大きく影響するということです。情勢は厳しく、緊迫していると言っていいと思います。ボルトンさんが来るということは、いろいろな意味で地ならしということがあると思いますが、それ以上に、いまのイランの状態は緊迫しています。これは確かなことで、2年前になりますが、私が夏にイスラエルへ行った際、テロ対策ということに少し興味があったので、向こうの有名大学のなかにあるイスラエル軍の陸軍OBの方が持つテロ対策の研究所に行って、いろいろな話をさせていただきました。その所長の関係で、定期的にあちらから情報のリリースをいただいていますが、このところ頻繁に来ますね。

飯田）そうですか。

有本）このイラン情勢です。イスラエルはご承知の通り、例えばヒズボラなどの勢力から攻撃を受けているということもあって、それらに関する情報だけではなく、地域情勢が非常に緊迫しています。イランの状況に対して、まさに有志連合の枠組みですけれども、ヨーロッパはどういう形で参画をするのか、あるいはできるのか、というようなことを随分とレポートしてくれています。

飯田）イギリスはタンカーが拿捕されていますものね。

日本、韓国への輸出管理強化　韓国向け輸出管理について、チョン・チャンス産業通商資源部貿易安保課長（手前右）に事務的説明に臨む、岩松潤・貿易経済協力局貿易管理部貿易管理課長（手前左）＝2019年7月12日午後1時58分、東京・霞が関の経産省　写真提供：産経新聞社

有志連合で日本は自国の船をどう守るのか

有本）イランの関係で言うと、一応ヨーロッパ諸国は核合意という枠組みがあるではないですか。それは堅持したいという表向きの姿勢を見せていますが、現状に合わせて何ができるのかということを、いろいろな形でアメリカやヨーロッパにも働きかけをしているのだろうなということではありますね。

飯田）どのような有志連合になるのかは、なかなか中身がまだ分からないところですが、一部ロイターなどがリークしているところでは、お互いがお互いの国を守りあうということではなくて、自分たちの国に関係するものは自分たちで守りなさいということのようです。

有本）そうなって来るとまさに、日本に突きつけられているのは大きな問題ですよね。特に中東ではいままで、日本は他の国が主体的に全体を守っているところの「お手伝い」でしたが、そうは行かないだろうということがあります。それともう1つ、状況は悪いのだけれど、特にアジアは日本と韓国の関係も問題が発生しているために、アメリカとしてはこの有志連合にアジアの国々をどう参画させるかということが懸案なのでしょうね。

飯田浩司のOK! Cozy up！
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