外反母趾にならないために、必ず適正なサイズの靴を履くこと

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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、一般社団法人「足と靴と健康協議会」事務局長で、上級シューフィッターの木村克敏が出演。適正なサイズの靴を履く必然性について語った。

外反母趾にならないために、必ず適正なサイズの靴を履くこと
黒木)今週のゲストは一般社団法人「足と靴と健康協議会」事務局長で、上級シューフィッターの木村克敏さんです。私は子どものころ、小さいサイズをずっと履き続けていました。宝塚時代も小さいサイズの靴で踊っていました。宝塚を辞めて普通の生活になって、はじめて窮屈だなあと気付き、そこでやっと自分に合ったサイズの靴を履くようになったのです。

木村)それはかなりレアケースだと思います。クラシックバレエで履くトゥシューズは、まったく余裕のない状態でつま先立ちで踊るので、ぴったりしたサイズを履きます。しかし、成長の段階においてはいろいろな障害が出やすいので、靴のサイズには気を付けていただきたいです。成長期は3ヵ月でサイズが変わってしまいます。お母さんたちは子どもの靴も高いですから、少し大きめを買って、大きくなるまで履かせようとしますが、これはダメです。靴は大は小を兼ねませんから、きちんと合わせていただかないといけません。

黒木)そうですね。その昔、先生に言ってほしかったですね。

木村)日本は靴の教育がないのですよ、選び方や履き方について。ドイツでは小学校低学年で靴の履き方の授業があります。向こうの人は小さい子でも紐靴をしっかり結んで歩きますが、日本人はかわいいキャラクターなどを履いて、ちゃんとした靴を履く人は少ないです。体でミリ単位の精度が要求されることは少ないです。眼鏡を検眼しないで作る人はいないと思いますが、靴もそのレベルなのです。まずは計測して自分のサイズを知ってください。靴はメーカーやブランドで、サイズなどの規格がバラバラです。同じ23でも違います。お薦めしているのは、ご自身のプロポーションを把握することです。

黒木)体を支えているのは親指の付け根、小指の付け根と、かかとの3点ですけれど。

木村)この3点で体重を支えています。アーチがあるので3つのアーチとも言われています。カメラの三脚と同じように、3点で支持するということは合理的です。

黒木)歩き方にしても、3点を意識して歩いたほうがいいということですか?

木村)歩くときはかかとから着地します。踏み返したときに土踏まずに倒れて行きます。体重がだんだん内側に行って、親指と残りの指で蹴り出します。これを「あおり歩行」と言います。ローリングとも言いますが、土踏まずがあるのは人間だけです。

黒木)土踏まずがいい感じで体を支えているということですね。

木村)偏平足など、アーチが消失してしまうと体が支えられません。

黒木)偏平足の人の土踏まずは治るものですか?

木村)これはなかなか治らないので、靴にパッド、ソールを入れて持ち上げて支えてあげます。

黒木)外反母趾の方も同じですね。

木村)外反母趾の方もアーチが崩れて指先が扇上に広がっていますので、踏み返しができないため、あおり歩行ができません。

黒木)自分の足のタイプを知るということですね。

木村)その前にちゃんとした靴選びをしていただければ、そこまで行かなかったのですが、そういう方は何十年も間違った靴で歩き続けていることになります。

黒木)これからでも大丈夫ということですね。

木村)遅いということはないので、きょうからやりましょう。

外反母趾にならないために、必ず適正なサイズの靴を履くこと
木村克敏(きむら・かつとし) / 上級シューフィッター

■1965年生まれ、東京出身。
■東洋大学経済学部卒業後、東京・銀座の「株式会社かねまつ」に入社。
ショップ店長、オーダーサロンマネージャー、銀座本店・副支配人を務める。
■その後「コールハーンジャパン」へ転職。ストアマネージャーを経てスーパーバイザー、ショップトレーナーとなる。
■現在は「一般社団法人 足と靴と健康協議会(FHA)」の事務局長を務め、シューフィッターの養成講座の運営の傍ら、講演活動等も実施。上級シューフィッターの有資格者であり、ドラマ「陸王」ではシューフィッターの演技指導も務めている。

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