イージス・アショア~秋田配備を変えられない理由

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月12日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。調査データにミスがあり、配備予定の秋田から反発が広がっているイージス・アショアについて解説した。

イージス・アショア~秋田配備を変えられない理由

「イージス・アショア」配備を巡り開かれた住民説明会で発言する防衛省の五味賢至戦略企画課長(左)=2019年6月8日午後、秋田市 写真提供:共同通信社

イージス・アショア調査データのミスは初歩的なもの

岩屋防衛大臣は6月11日、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の秋田市陸上自衛隊新屋演習場への配備について、「信頼回復に向けて全力を挙げたい」と話し、配備計画に変わりがないとの考えを示した。イージス・アショアの配備については調査データのミスなどがあり、地元で反発が広がっている。

飯田)山の高さの推定縮尺を間違えていたということ、さらには説明会で居眠りがあったりしました。

高橋)居眠りするのだったら出ない方がいい。縮尺の話は初歩的なミスです。普通に描くと高さが強調できないから4倍にするということは、地図に関わっている人ならみんな知っています。それをそのまま用いてはいけません。角度を見たときにすぐ分かりますよね。山の角度があんなに急なはずはないです。洋上のイージスで迎撃するのは大変ですから、陸地からが必須です。

飯田)イージス艦上でやるのは。

高橋)乗組員を交代させたりとかね。日本が現実に北朝鮮でミサイルの配下にあるのは事実なので、何かの形で防衛しなければならないのですが、イージス艦ですべてをやるのもまた大変です。

北朝鮮の脅威に対して必要なイージス・アショアの日本海側での配備

飯田)イージス・アショアでは、2基で日本列島を全部カバーできるというところもあるし、北朝鮮の潜在的な脅威に対しては、例えば米軍の抑止力のようなものとはまた違う。撃って来たらどうするのかということです。

高橋)すぐそばですからね。最近は新型のイスカンデルなども出て来ています。

飯田)ロシア製を流用したのかと言われています。

高橋)あれは上がってすぐあとに、弾道弾ではなく普通のミサイルになるものです。ほとんど防御ができないというものでしょう。今後、航続距離が長くなると非常に危ないです。そういう現実があるので、地元民への説明は丁寧にというのはまったくその通りです。緊張感を持ってやるということです。

飯田)ただ周りの地政学的なリスクなどを考えると、ミサイル防衛そのものを撤回するのは難しい。

高橋)国の安全を守るという立場からすると、それはありえないですよね。どのような形にするのか。配備計画があるのは秋田と山口です。山口の方はどうなのでしょう、同じような構造になっていたら酷いですよね。

飯田)確かに山口の方では聞かないし、地元の一部町長さんの反対はありますが、萩市の方は基本的に前向きに受け取っています。

高橋)説明する人が隙を見せてはいけない。あまりにも初歩的なミスだったので、私もびっくりしましたけれどね。

佐竹知事「振り出しに戻った」

飯田)秋田県の佐竹知事は、防衛省の基本的な姿勢には甚だ疑問があり、話は振り出しに戻ったと述べています。

高橋)振り出しに戻っても、どこかに配備しないとどうしようもないのは一緒です。

飯田)太平洋側からミサイルが飛んで来る可能性は低いので、日本海側で適地を考えて選ぶとなると、ここになる。

高橋)島というものは、無理なのです。島の場合は簡単に占領されることも考えられます。だからやはり陸地に作らなくてはダメ。そうすると候補地もあまりないと思います。実際に演習場だとか、そういうもののなかに作らざるを得ない。ここはよく説明して、地元の方に理解してもらうことになるのではないでしょうか。

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