横浜市営地下鉄の脱線~装置置忘れのケアレスミスか

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月7日放送)に鉄道アナリストの川島令三が電話ゲストとして出演。6月6日に起こった横浜市営地下鉄の脱線事故について解説した。

横浜市営地下鉄の脱線~装置置忘れのケアレスミスか

横浜市営地下鉄ブルーラインが脱線し、下飯田駅内に向かう運輸安全委の鉄道事故調査官=2019年6月6日午前10時14分、横浜市泉区 写真提供:共同通信社

横取り装置の置き忘れが原因の確認ミス

6月6日朝5時20分頃、横浜市営地下鉄ブルーラインの車両が、下飯田駅を出発した直後に脱線した事故の続報。現場を調査した運輸安全委員会の村田鉄道事故調査官は、線路上から撤去し忘れた装置に乗り上げたことが事故の原因だと明らかにした。横浜市交通局などによると、工事用車両を本線から保守用のレールに移すための長さ3.5メートルほどの装置を撤去し忘れて、そこに始発列車が乗り上げたということである。

飯田)横浜市は事故調査と復旧のため、湘南台駅から踊場駅の間を運休として、バスによる代行輸送を行っています。早ければ9日に運転再開の見込みで、しばらく不通は続くということです。この時間は鉄道アナリストの川島令三さんと電話を繋いでお話を伺って参ります。
装置の置き忘れということなのですけれども、どういうことなのか改めてご説明いただけますでしょうか?

川島)保守用車両を本線に出入りするために、通称「乗り上げポイント」というものがあって、横取り装置というもので本線のレールの上にまた保守用のレールを乗せるのです。横取り装置を撤去し忘れると、100%脱線します。

飯田)まさに乗り上げてしまうのですね。

川島)そういうことです。

飯田)どうして置き忘れることが起こるのですか?

川島)確認ミスですね。保守要員が置き忘れて脱線することは、いままでもありました。

横浜市営地下鉄の脱線~装置置忘れのケアレスミスか

車両(左)が逆走する事故があり、消防隊員や警察官で騒然とする「金沢シーサイドライン」の新杉田駅のホーム=2019年6月1日午後9時39分、横浜市磯子区 写真提供:産経新聞社

警報装置に頼って目視での確認を怠ったためのケアレスミス

飯田)なるほど。置き忘れ防止のシステムも、本来はいろいろあったのですよね。

川島)警告装置などがあったのですが、結局それで間違えてしまった。そればかりを過信して、目視で確認しなかったということですね。

飯田)なるほど。警告で音が鳴るようなものだと、音が鳴らないからいいか、ということになってしまったかもしれないのですか?

川島)はい。新幹線の場合は保守が終わった後に確認車両というものがありまして、それで1度走って、問題が無いと分かった上で営業運転に入ります。だから新幹線は安全なのです。

飯田)新幹線よりも、今回のような地下鉄は始発が速いから、なかなか確認で電車を走らせるのは難しいということでしょうか?

川島)そうですね。確認車を出すのは時間がかかりますので。

飯田)リスナーの方からメールもいただいております。“やすゆき”さん、横浜港北区の46歳、男性の方。「保守車両を引き込み線から出すための装置、どの鉄道も至るところに保線用の引き込み線、装置はありますよね。その場に忘れてしまったら、始発が乗り上げてしまうのはとても恐ろしいことです」。これはどこにでもある一般的な装置なのですか?

川島)ええ。横取り装置と言って、どこにでもあります。JR東京駅の近くでもいくらでもあります。

飯田)そうすると、この間も横浜でシーサイドラインの事故がありましたし、横浜市で続いているようなイメージになってしまうのですが。

川島)条件が違いますので、関係はないですね。乗り上げポイントではなく通常のポイントでやっていれば、こういうことはないのですけれど、通常のポイントでやると列車の乗り心地が悪くなってしまうのです。しかし、乗り上げポイントですれば悪くはならないので。

飯田)必要な時だけ使うと。

川島)ええ。

飯田)なるほど。ケアレスミスがこういった重大な事故を招いたという結論になりそうなのですね。

川島)完全にケアレスミスですね。

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