新津駅「SLばんえつ物語弁当」(1,000円)~「SLばんえつ物語号」4時間の旅① 【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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週末朝の新潟駅、たくさんの人だかりが出来ているのは「SLばんえつ物語」号。
「SLばんえつ物語」号は越後と会津を結ぶ磐越西線(ばんえつさいせん)で運行されている観光列車です。
先頭に立つのは、貴婦人「C57」形蒸気機関車の180号機。
率いられる客車はレトロ調の7両編成で、新潟からの列車は9:30に発ち、終点・会津若松には13:35に到着します。
今走るSL列車の中では最も長い「125km」あまりを「4時間」かけて走り抜ける「SLばんえつ物語」号に、私も久々に夏休みを使って乗車してまいりました。

C57-180号機

「C57形蒸気機関車180号機」が生まれたのは、昭和21(1946)年の夏。
昭和44(1969)年まで新津を中心に活躍し「新津第一小学校」で大事に保存されてきました。
地元の皆さんの熱意が実って平成11(1999)年4月に復活、以来15年以上にわたって運行されています。
そんな「C57形180号機」は、今年(2016年)の夏でついに「古希(70歳)」を迎えました。
乗車した日はこれを記念した「70th anniversary!」のプレートも見ることが出来ました。

ばんえつ物語号グリーン車

「SLばんえつ物語号」の特筆すべき点は、7号車に「グリーン車」が連結されていること。
”より快適に楽しめるように・・・”ということで、平成25(2013)年から登場しました。
新潟発の列車ではグリーン車が最後尾で過ぎゆく景色を独占、会津若松発の列車ではSLの迫力を間近に感じることが出来ます。
また座席は、2人掛けと1人掛けが並ぶリクライニングシートで30席限定、グリーン車利用者以外の立入は出来ないため、落ち着いてゆったり出来ます。
「SLばんえつ物語」号は快速列車ですので、比較的お得に乗車出来るのも有難いところです。

ばんえつ物語号オコジョルーム

「SLばんえつ物語号」の素晴らしいのは、年々バージョンアップが行われている点。
グリーン車が出来た翌年からはもう一方の車端部・1号車が、子どもが遊べる「オコジョルーム」となりました。
さらにその奥は、大人も楽しめる「オコジョ展望室」が誕生。
ちなみに「オコジョ」とは、磐越西線沿線にも生息しているイタチ科の動物。
これをモデルとした「オコジロウ」と「オコミ」が「SLばんえつ物語」号のオリジナルキャラクターとして人気を集めています。

新津駅の駅弁立売

新潟駅を9:30に発車した「SLばんえつ物語」号の会津若松行が、最初に停まるのは「新津」。
SLの車庫もある新津駅では9:53~10:04まで「11分間」の停車時間があります。
この新津の11分で堪能したいのが、駅弁のホーム売り!
通常、新津駅で駅弁を買う場合は、改札を出た駅弁屋さんの社屋などでの購入となります。
でも会津若松行のSL停車時間帯は、今も新津を拠点とする「神尾弁当部」「三新軒」の2社が昔ながらの駅弁ケースを台に置いて、ホームで駅弁を売ってくれるんです。

SLばんえつ物語弁当

せっかく「SLばんえつ物語」号に乗るなら、駅弁も「SLばんえつ物語弁当」(1,000円)を押さえたいもの。
平成11(1999)年のSL復活を記念して生まれた駅弁です。
調製元は、新津駅前に工場がある明治30年創業の老舗「神尾弁当部」。
新津駅ホーム売り駅弁の個数はかなり限られているので”絶対食べたい派”の方は始発の新潟駅でゲットしておくのが賢明かも。
ただ”ホームに出て駅弁を買う行為を楽しみたい”旅情重視派”の方は、ぜひホームに出て駅弁屋さんと「駅弁とお金をやり取りする」行為を楽しんで欲しいと思います。

SLばんえつ物語弁当

「磐越西線の美しい景色を眺めながら味わってほしい」という思いを込め、海の幸・山の幸を詰め込んだという駅弁。
海の幸はサケ・イクラ・ホタテ・ニシンなどが醤油の炊き込みご飯の上にいっぱい!
山の幸は照焼チキンがご飯に乗り、椎茸・筍・絹さやなどが煮物として加わります。
今回、久しぶりにいただきましたが、改めて感じたのは1つ1つの食材が丁寧な作り。
焼魚にホタテ煮、鶏肉の照焼など1つ1つ違う工程で作ったものを載せている訳ですよね。
SLの運行同様、手間ひまかけて1つの駅弁を作っていることが伺える駅弁です。

SLばんえつ物語号展望車

「SLばんえつ物語」号は、阿賀野川沿いをさかのぼりながら会津へ・・・。
まずは途中駅の「津川(つがわ)」を目指してひた走ります。

(取材・文:望月崇史)

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