北朝鮮の核問題を解決させたくない韓国の思惑

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ニッポン放送「飯田浩司の OK! Cozy up!」(6月3日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。日米韓の防衛大臣会談のニュースから、北朝鮮を巡る韓国の現状について解説した。

北朝鮮の核問題を解決させたくない韓国の思惑

会談に臨む(左から)韓国の鄭景斗国防相、シャナハン米国防長官代行、岩屋防衛相=2019年6月2日、シンガポール(共同) 写真提供:共同通信社

日米韓の防衛大臣会談~北朝鮮への対応でずれ

日本の岩屋防衛大臣、アメリカのシャナハン国防長官代行、それに韓国の鄭景斗国防大臣が、シャングリラ会合が行われたシンガポールで会談した。5月に短距離弾道ミサイルを発射した北朝鮮について認識のずれがあり、協力には課題が残る結果となった。

飯田)いろいろなずれがありまして、日本側としては国連の制裁決議違反であると言っています。アメリカも当局者は制裁決議違反だと言っていますが、トランプ大統領だけは気にしないと言っている。韓国側は分析中と述べるに留めているというところです。

須田)ミサイル発射に関して、事実関係の検証はきちんとやるべきではないでしょうか。それをトランプ大統領のように制裁決議違反だけれども、いま米朝交渉をやっているので、それについては大きく問題視しないというスタンスはあってもいいのだろうと思います。ただその事実関係の検証も、何らかの思惑があってできないという点はどうなのか。そう考えると韓国は、日米にとって同じ価値観を共有できない異質の国になりかねないと思います。
この北朝鮮問題を巡って、安倍総理はトランプ大統領と連携プレイをとっていますが、前提条件を付けないで金正恩委員長と会談を持つという方針を表明しています。これを受けて、韓国サイドが国情院を中心に日本国内で妨害工作に入っているのですよ。要するに韓国が噛んでいないものですから、勝手な動きをされると南北の関係にひびが入る、或いは韓国が置いて行かれることを懸念しているのでしょう。横槍を入れるような動きを見せています。

飯田)アメリカ側が、韓国の仲介に対しては不信感を抱いているという報道もされていますものね。

須田)韓国としては自国の価値を高めるためにも、自分たちを通さなければ北朝鮮との交渉は上手く行かない、成功しないような状況を作ることが韓国の最大のプライオリティになっているのです。

飯田)そんな、関所の通行料みたいなものを要求されてもね。

須田)北朝鮮寄りに立っていると言うよりも、自分たちの存在感をアメリカ、そして日本に認めさせたいのでしょう。そこにいちばんの価値観を置いているということは、北朝鮮の核ミサイルを廃棄する問題についてはどうなるのだろうかと思います。

飯田)全体としての最終的なゴールはそこで、日本としてはもちろん拉致問題を外すわけにはいきませんが、そこが地域全体の安全を脅かしているではないですか。本当はそれがいちばんの価値観だと思うのですが、そこではなかなか動けないということですか?

須田)少々穿った見方をしますけれども、韓国にとって北朝鮮の核ミサイル問題は解決しない方が良いのですよ。自分たちの活躍する場が継続される状況になりますから。すぐに解決されると、韓国にとっても痛し痒しのところがある。そこにアメリカは不信感を持っているのです。

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