中国国防大臣発言~日本が「異質な国」中国と対峙するには

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月3日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。シャングリラ会合での中国国防大臣の発言から、異質である中国の存在について解説した。

中国国防大臣、台湾を巡り「中国軍を見くびるな」と演説

インド太平洋の国防関係者が揃うアジア安全保障会議で6月2日、中国の魏鳳和国防大臣が演説し、「台湾を分裂させようとするなら、中国軍はいかなる代償を支払ってでも戦うことをためらわない」とアメリカを念頭に置いた攻撃的発言が目立った。

飯田)アジア安全保障会議、通称シャングリラ会合と呼ばれるものです。中国が国防大臣を派遣したのは8年ぶりということですけれども、米中の話は貿易のみならずというところですね。

中国国防大臣発言~日本が「異質な国」中国と対峙するには

米FOXビジネステレビの番組で討論する、中国国営中央テレビの劉欣氏(画面右)とFOXのトリッシュ・レーガン氏。ウェブサイトにアップされた=2019年5月30日、北京(共同) 写真提供:共同通信社

FOXと中国国営放送のキャスターのバトル~「米は知的財産権の保護が十分ではなかった」

須田)中国という国は異質な国なのです。我々の価値観が通用しない国なのだということが、この一連の流れで見えます。少し話が変わりますが、5月29日にアメリカのFOXニュースの女性キャスターと中国国営放送のキャスターが、直接バトルをしたことがありました。そのなかでFOXニュースのキャスターが知的財産権の窃盗について厳しく指摘すると、中国のキャスターは「知的財産権を巡る違反は否定しないが、これは知的財産権の保護が十分でなかったから招いたことなのだ」と反論しました。アメリカ側に問題があるということです。

飯田)お宅が守らなかったから盗られただけでしょう、ということですか?

須田)開き直りここに極まれりというところですが、「異質」とはこういうことなのです。グローバルスタンダードなルールからすると、大前提として知的財産権だろうが何だろうが、盗み取るということはやってはいけないことです。それに対して「盗まれた人が悪い」と言ったら、これは中国の公式見解だと捉える必要があります。本人は共産党員ではないと言っていますが、国営系の放送局のキャスターですから。中国は個人の考えを自由に発言できる国ではありませんからね。

中国国防大臣発言~日本が「異質な国」中国と対峙するには
自国のルールを押し付けてくる中国

須田)ここを安全保障問題に当てはめて考えて見ると、南シナ海を含めて航行の自由があるということが、国際社会共通の概念なのですが、そうではない異質の考え方がある。中国は中国のルールを押し通そうとしている。それを譲歩するつもりは無いということが、今回のシャングリラ会合で伺えた。その譲歩するつもりのない中国に対して、我々はどう対峙して行くのか…。これを真剣に考えなければいけない。いくら交渉して話し合いをしても、向こうに譲歩する気持ちが無ければ結果的には決裂する。我々が向こうに合わせるという選択肢はあり得ないわけですからね。

飯田)そうですよね。向こうはその気持ちでと考えると、こちらの考え方を変えて行かないといけません。

須田)相手が譲歩するのはどういうときかと言ったら、力による影響を誇示して、譲歩しないと中国サイドに大きなマイナスの影響が及んで来ると思ったときに、初めて譲歩するのです。何もやらないまま、「安全或いは平和ですよ」ということを前提に交渉しても、中国は譲歩するつもりなんてありませんから。

飯田)いまの須田さんに紹介していただいたFOXニュースのやり取りは、知的財産権というところを領土に言い換えると、南シナ海でやっていたこととまったく同じではないですか。

須田)それが今回の中国軍の演説とシンクロして来るでしょう。

飯田)しかもそれができるだけの力を、中国は経済、或いは軍事の面でも段々とつけている。いまも危ないところまで来ているかもしれませんね。

須田)中国は異質な価値観を持つ国なのだという認識を、我々は持つべきだと思います。

飯田)何でも仲良くすれば良いと学校の教室でも習いましたが、どうやらそれだけではいかない世界になって来ているようですね。

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