シーサイドライン逆走事故~1993年にも同様の事故が大阪で発生

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ニッポン放送「飯田浩司の OK! Cozy up!」(6月3日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。6月1日に起こった横浜市シーサイドラインの事故について解説した。

シーサイドライン逆走事故~1993年にも同様の事故が大阪で発生

車両(左)が逆走する事故があり、消防隊員や警察官で騒然とする「金沢シーサイドライン」の新杉田駅のホーム=2019年6月1日午後9時39分、横浜市磯子区 写真提供:産経新聞社

横浜のシーサイドラインが逆走~原因究明を

6月1日夜8時15分頃、横浜市を走る新交通システム「シーサイドライン」の新杉田駅で無人運転の車両が逆走し、およそ25メートル後方の車両止めに衝突する事故が起きた。乗客14人が負傷し、内6人が骨折などの重傷。

飯田)国土交通省関東運輸局は6月2日、横浜市が出資する第3セクターの横浜シーサイドラインに対し、原因究明と再発防止策の策定を求める文書を出し、現在調査が続いていますが、復旧の見通しは立っておりません。今朝(3日)5時半から10分間隔で代行バスを出して対応に当たっているということですが、ご利用の方は少し早めに出ないとバスも混雑してしまう可能性があるということです。

1993年にも同様の事故が大阪で発生~原因は未解明のまま

須田)国土交通省が指示したように、原因究明と再発防止策が当然必要です。原因究明しなければ再発防止策は講じられませんからね。コンピューターによってシステムを制御して、無人運転を実現するというものが新交通システムです。同じ新交通システムに、大阪市交通局の現在の大阪メトロがあります。そのニュートラム南港ポートタウン線で1993年10月、減速せずに60メートル暴走し、車止めに衝突して乗客約210人が負傷した前例があります。このとき原因究明に努めたのですが、結果的に突き止めきれなかったのですね。そして1ヵ月半後に運転再開ということになりました。その後、事故が起こっていないことが幸いですが、原因が何なのかわからないなかで運行しているのは、乗っている方も不安でしょうし、いつ何どき第2第3の事故が起こりかねないリスクを抱えているのです。この辺りはしっかり原因究明をして欲しいです。それができないのであれば、現行のシステムの制度ではなくて、違った形で安全策を考えて行く必要があるのではないかなと思います。

飯田)今回、この新杉田駅は折り返しの駅で、着いた電車が進行方向逆向きになる。係員が乗っている電車であれば、運転手さんが後ろから前に行って逆転ハンドルを倒して出発することができるのですが、それを全部電気制御でやる。今回、「全部OK」だという応答が車両から来ていたのにも関わらず、動き出したら逆に行った。それで車止めに衝突したということです。どちらの不具合かという話になって来ますものね。

須田)そんなにスピードが出ていないのに、あれほど大きな事故になるということがショックでした。

飯田)時速で言えば6キロ~7キロだったという話ですからね。

シーサイドライン逆走事故~1993年にも同様の事故が大阪で発生
セキュリティシステムが確立していない自動運転付きの自動車

須田)人手不足ということもあるのでしょうけれども、今後は各所で既存の交通網にもこういった自動運転が導入される方向です。特にJR東日本は、いま山手線で試行作業をしています。将来的にはということですが、山手線と言ったらものすごく短い間隔でたくさんの車両が走る線です。事故が起これば、これまでの比ではないと思うのですよ。安全性をどういう形で確保するのかというところが、こういうシステムの大前提なのかなと思います。

飯田)ツイッターなどでは、電子制御だからハッキングなどは大丈夫なのかという質問もいただいています。インフラも標的になるわけですよね。

須田)その点はポイントでして、自動運転付きの自動車についても、いまのハッキング防止技術では実現不可能だと思います。いまの状況だとハッキングし放題になってしまいます。システム管理者になりすましてハッキングできるのですから、これをどう制御するのか。実はセキュリティシステムが確立していないのが現状です。

飯田)実はそれが技術的な面より問題になるということですね。

須田)「個人の車にハッキングなんて起こらないだろう」ということを前提に、システム開発が進んでいるものです。テロということもあり得ますから、その問題は考えて行かなくてはならないと思います。

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