安倍総理のイラン訪問の歴史的な意味

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月31日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。安倍総理が5月30日、サウジアラビアのムハンマド皇太子と電話で協議したことについて解説した。

ムハンマド・ビン・サルマーン – Wikipediaより

安倍総理がサウジアラビアの皇太子と電話会談、イラン訪問の理解を求める

安倍総理は5月30日、サウジアラビアのムハンマド皇太子と電話でおよそ30分間協議し、アメリカとイランの対立で緊迫する中東情勢について意見交換をした。総理はイランを6月12日~14日までの日程で訪れることで最終調整に入っており、イランと対立するサウジアラビアに理解を求めたと見られている。

飯田)宮家さんは、外務省アラビア語の専門でもありました。中東も専門領域ですが。

宮家)こういう形で総理がイランを訪問されるのは、タイミングとしても機微な時期ですし、アメリカとの対立もホワイトハウスの一部で煽っている人がいるぐらいなので、とても良いと思います。ただ日本はソフトパワーですから、やれることに限界があることは考えなくてはいけない。サウジアラビアはいま、イエメンでイランに支持された武装勢力と本当の戦争をやっています。何年もやっていて長引いているので大問題になっています。サウジアラビアにとってイランはとんでもない敵ですから、日本も上手く立ち回らなくてはいけません。

テヘラン – Wikipediaより

話し合いはトランプ大統領の希望か

宮家)例え話ですが、飯田さんの高校は野球を硬球でやっていましたか?

飯田)一応、僕の出身高校は硬球でやっていました。

宮家)立派なものです。うち高校は軟弱だったので、軟球しか使わせてくれませんでした。そんな危険なことはやってはいけないと。

飯田)硬球は危険。

宮家)私に言わせればイランとアメリカ、そしてサウジアラビアは、硬球を使って甲子園に出場できるようなチームです。しかし日本の野球は、少なくとも中東だと、硬球ではない。軟球か、下手したらソフトボールです。だから軟球用のバットとグローブで、硬球を使って野球をやろうとしたら駄目なのですよ。バットが折れてしまうかもしれないし、手も痛くなってしまう。上手くやらないと火傷してしまいます。彼らは本気で命を懸けているのですから。
イランの首脳との話し合いをしたいというのは、おそらくトランプさんの希望だと思うのです。米政府の下の人はみんな反対しているけれどね。トランプさんは金正恩氏とも会っているのだから、ハメネイ師とも会いたいと言うのでしょう。しかし、これはハードボールのゲームですから、気を付けなくてはなりません。ソフトボールであれば、ソフトパワーを上手く使うことが可能かもしれないけど、間違っても硬球を使うチームと同じようなゲームはできません。そこだけ念頭に置いていれば結構上手く行くのではないでしょうか。


反米の政府のもと、親米の国民が住んでいるイラン

飯田)アメリカとイランの間でいちばん揉めているのは、核合意を破棄すること、その後で何を作るかという条件ですよね。

宮家)けれどイランだって中東の各国に軍事的にちょっかいを出して、内戦に介入するなどとんでもないことをやっていますからね。どっちもどっちですよ。

飯田)その辺を止めろと言うのは…。

宮家)言い方が難しいところですね。イランという国が面白いのは、世界一の反米の政府に、世界一の親米の国民がいることなのですよ。

飯田)国民は親米なのですか?

宮家)一般国民はアメリカが大好きです。親戚一族、必ず誰かがアメリカに移住していますよ。そういう国だからこそ、なかなかアメリカとの関係を改善するのは難しい。

飯田)切れもしないけれど。

宮家)ええ。ですから、国民レベルでは結構アメリカのことを良く知っています。僕はテヘランとコムにいるあの宗教勢力の方がおかしいと思うのだけれど、イラン革命以降イスラム共和制が続いてしまったわけですよね。1979年だから、もう40年経ちます。

アリー・ハーメネイー – Wikipediaより

強大な力を持つ宗教指導者・ハメネイ師

飯田)今回、安倍総理が行くとなると革命以来では初めてのことに。

宮家)そうですね。福田赳夫総理が行ったのが革命の直前で、そのあと革命になったのだから、歴史的な意味があります。米イラン間の仲介とか何とかは考えずに、まずは日イラン関係を再確認し発展させることを話し合ってからではないですか。

飯田)あの国は大統領もいますけれど、やはりハメネイ師という宗教指導者の力が強いと思った方が良いですか?

宮家)もちろんそうです、圧倒的に強い。しかしハメネイ師は賢いから、嫌な話には絶対に乗りません。政治的に傷ついてしまうからです。仮にトランプさんが会うと言ったって、ハメネイは会わないかもしれませんよ。イランにはロウハニ大統領がいるのだから、大統領と会えばいいと言うかもしれない。そうやってバランスを取って、いままで政治的に生き延びて来た宗教指導者ですから。宗教的な権威は必ずしもなかったのだけれど、だからこそ、そこら辺は非常に慎重にやる人だと私は思います。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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