アジア7ヵ国首脳が訪日~中国へも日本の存在感をアピール

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月28日放送)にジャーナリストの有本香が出演。国際交流会議のためにアジア7ヵ国の首脳級が集まることを受け、今後の東アジア情勢について解説した。

フィリピンのドゥテルテ大統領らアジア7ヵ国の首脳級が続々来日へ

菅官房長官は5月27日午前の会見で、フィリピンのドゥテルテ大統領やマレーシアのマハティール首相ら、アジア7ヵ国の首脳級が28日~30日に来日すると発表した。都内で開かれる国際交流会議に出席するためで、安倍総理はドゥテルテ大統領らと個別に会談し、北朝鮮問題をはじめとする地域情勢などを議論する予定。

飯田)トランプさんの次はということで、日本を舞台とする外交が続きますね。

有本)民間の、日本経済新聞が主催する会議に出席されることが理由なのですが、このタイミングでこういう会議が仕組まれるということは、日経新聞の方々には申し訳ないけれど、はたして日経新聞単独の仕事なのかなという感じがします。政府関係者も協力しているのだろうと思われるのですが。
日米間ではいま、イランの問題もあります。総理が6月にイランを訪問するのではないかと言われている。実は私事ですけれど、この夏イランに行こうと思っていまして、何度か現地もリサーチしています。イランの政府関係者の方ともお話させていただきましたが、日本に対して相当、期待感が強いですね。

飯田)期待感が強いですか。

有本)というのは、イランも相当厳しいではないですか。

飯田)経済制裁もね。

有本)経済制裁があるし、失業率が30%だということです。

飯田)経済の地合いがそもそも悪い。

アジア7ヵ国首脳が訪日~中国へも日本の存在感をアピール

会談を前に握手を交わすイランのザリフ外相(左)と安倍晋三首相=2019年5月16日午前、首相官邸 写真提供:産経新聞社

変化しつつある東アジアでの日米連携

有本)もともと日本に対する国民感情もいいです。総理が行くのはどういう意味なのかと言うと、いま日米首脳の個人的な信頼関係が非常に強いわけです。トランプさんは大きく拳を振り上げてみたりするのだけれど、相手の本音や腹を探ろうともする。イランに対しても、日本を通じて探りたいところはあると思います。アメリカがこう言ったから日本も膠着してしまうというわけではなく、日本はイランと外交上の交流があるではないですか。日本をチャネルにして、イラン側の本音を聞きたい思惑は当然アメリカにもあるでしょうし、落としどころを探るという部分はあると思います。
それと、このアジア7ヵ国、特にASEANの首脳ですね。バングラデシュはASEANではないけれど、他は日本に揃って来る。意味合いとしては中国へのアピールもありますよね。
ですから日米連携ということが、ひたすら日本がアメリカの言うことを聞くとか、アメリカの顔色ばかりみて自主性がなくなるというよりも、深く懐に潜り込むと、むしろ日本はフリーハンドの部分が大きくなるということではないでしょうか。

飯田)特に東アジア、中東に関しては。

有本)日本がむしろ自主性、主体性を発揮できる部分が大きくなっていると実感しますよね。

飯田)「自由で開かれたインド太平洋戦略」は、もともと日本が言い出したことなのですが、アメリカがそのまま…。

有本)アメリカはインド太平洋軍と言っていますからね。日本は軍事的には自立できていない国なのだから、どうしてもアメリカに対して一定の気を遣った関係が必要になって来る。ただし本当に距離を詰めて行ったときには、むしろ日本のできる範囲は広がるのだということが、いま実感されていると思います。
日本も国益という意味では実を取っていますが、日本のはっきりした問題、拉致問題やロシアとの領土問題において、歴史的な成果がとれるかという段階に来ていると思います。少なくともASEANに関しては、第2次安倍政権が立ち上がってから一貫して大事にしています。確か最初の2年間は、2回位ずつASEAN10ヵ国の首脳と何らかの形で会っていると思います。それくらい、中国を取り巻くこの国々を大事にして来た。そこに今回バングラデシュも入っている。これは意味があります。

飯田)バングラデシュのハシナ首相は、ダッカであったテロ事件の被害者のご家族の方々にも会うということです。

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