美濃太田駅「松茸の釜飯」(1000円)~初夏に敢えて松茸駅弁を食べる理由

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】

美濃太田駅「松茸の釜飯」(1000円)~初夏に敢えて松茸駅弁を食べる理由

キハ85系気動車・特急「ひだ」、高山本線・美濃太田~坂祝間

岐阜県の東海道本線・岐阜駅と、富山県の北陸新幹線・富山駅を結ぶJR高山本線。
沿線には、日本三名湯の1つとされる下呂温泉、飛騨の小京都に例えられる高山があり、さらには、高山から路線バスで行く奥飛騨温泉郷・白川郷へのアクセス路線となっています。
主役は、平成元(1989)年デビューのキハ85系気動車による特急「ひだ」号。
キハ85系は、今年で30年を迎えたJR東海・ワイドビュー特急の元祖とされる車両です。

美濃太田駅「松茸の釜飯」(1000円)~初夏に敢えて松茸駅弁を食べる理由

松茸の釜飯

かつて、特急「ひだ」号の車内販売でも楽しむことができたのが、美濃太田駅の駅弁屋さん「向龍館」が製造する「松茸の釜飯」(1000円)です。
令和元(2019)年5月23日現在も、美濃太田駅で販売されており、時間帯によっては、東海地方最後、駅弁では本州最後と言ってもいい「立ち売り」が行われることもあります。
昭和34(1959)年発売と言いますから、今年がちょうど還暦なんですよね。

美濃太田駅「松茸の釜飯」(1000円)~初夏に敢えて松茸駅弁を食べる理由

松茸の釜飯

【お品書き】
・ご飯
・松茸
・鶏肉
・わらび
・フキ
・グリンピース
・漬物
・チェリー

美濃太田駅「松茸の釜飯」(1000円)~初夏に敢えて松茸駅弁を食べる理由

松茸の釜飯

陶器製だった釜も、現在はプラスチック製になりましたが、昔ながらの素朴で優しい釜めし。
それにしてもだんだんと暑くなる初夏のこの時期に、秋の味覚の代名詞とも言える「松茸」を使った釜めし駅弁を、なぜいま、いただいたのか?
じつは「向龍館」さん、残念ながら5月31日をもって営業を終了することになりました。
この駅弁、そして立ち売りも、あと1週間ほどとなります。

美濃太田駅「松茸の釜飯」(1000円)~初夏に敢えて松茸駅弁を食べる理由

キハ25形気動車・普通列車猪谷行、高山本線・坂祝~美濃太田間

美濃太田駅には特急「ひだ」号も停車しますが、停車時間はわずかです。
ただ、美濃太田以北へ向かう、高山本線の普通列車は本数こそ少ないものの、転換クロスシートを装備したキハ25形、キハ75形気動車で運行される列車もあります。
名古屋周辺では週末に「青空フリーパス」「JR東海&16私鉄乗り鉄 たびきっぷ」といったお得な乗車券もありますので、日本の駅弁史の貴重な1ページを体感されてみてはいかがでしょうか。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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