アメリカVSファーウェイ 5G覇権争いの行方は?

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月20日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。アメリカと中国を中心に繰り広げられている5Gの覇権争いと、その技術を利用して変わって行く未来の一端について解説した。

ファーウェイのショップ=2018年12月9日、中国・深圳(共同) 写真提供:共同通信社

ファーウェイCEO、アメリカと対決姿勢鮮明に

中国の通信機器最大手ファーウェイの任正非(レン・ツェンフェイ)最高責任者は5月18日、広東省深圳市の本社で日本メディアの取材に応じた。トランプ政権が輸出規制を決めたことについて、「我々は法に触れることは何1つしていない」と反論し、第5世代の移動通信システム(5G)の整備に関しては「アメリカに頼まれても行く気はない」と対決姿勢を鮮明にした。

飯田)禁輸決定後にメディアのインタビューに答えたのは初めてということです。対決姿勢を鮮明にと。

須田)逆に言えば、相当な危機感を持っているのだろうと思います。5Gを巡る覇権争いという点でこの問題を語るとするならば、全面的な対決姿勢ということです。ただ、5Gを巡る覇権争いは一体どこに注目しておくべきなのか。
実は3つポイントがあって、1つは端末機器を巡る覇権争い。もう1つは通信回線を巡る覇権争いです。ファーウェイはこの分野にもハード機器として提供していますが、安全保障上の問題で使うなという指示を出していることがあるわけです。

飯田)基地局などの問題ですね。

須田)そうですね、ネットワークの部分です。

端末や情報通信に強い中国、コンテンツ開発に強いアメリカ

須田)そして3つ目が、端末とネットワークをどういう形で活用するのか。言葉が適切であるかどうかわかりませんが、コンテンツやソフトの部分です。いちばん利益のあがるところ、商売のタネになるところがコンテンツやソフトの部分。アメリカVSファーウェイ、あるいはアメリカVS中国と世界規模で見た場合、5Gは1番目、2番目はアメリカが劣勢に立たされています。端末と回線に関して、世界のマーケットではアメリカは中国に負けたと言ってもいい。そういった意味で言うと、任正非さんの言葉は1番2番において勝利を収めた勝利宣言のようなものです。「別にアメリカに出て行かなくたっていい」と。
しかし3番目の部分、端末とネットワークを使ってどうビジネスに生かして行くのか。こちらは圧倒的にアメリカが強い。だから中国はアメリカの企業を排除して、自分たち国内企業の一定程度のシェアを確保するという方向にしか動けない。
一方でアメリカもそこは認識しています。「1番目2番目は負けた。シェアの部分では劣勢に立たされている、でも3番目は俺たちが勝つのだ」と。そこで3番目での勝利を確実なものにするために、アメリカはファーウェイに対して攻撃を仕掛けていると考えてもらっていいと思います。

飯田)コンテンツやソフトと言うとゲームなどのイメージになりますが、例えばすべてのものをネットでつなぐIoTも入って来るのでしょうか?

須田)IoTのなかで新しいサービス、新しいビジネスがどう生まれて来るのか次第だと思います。従来のビジネス、サービスでは考えつかない形になる。例えば自動運転装置付きの自動車であるとか。新しいものを開発することについては、アメリカの企業が圧倒的に強いですからね。むしろヨーロッパ陣営はアメリカの攻勢からどう自分たちのマーケットを守るのか。そして中国は同様の考えを持っていると思いますよ。


データを集めるだけではビジネスにならない

飯田)端末と回線の話で言うと、世界が2つの色に分けられるのではないかと言う人もいます。この先どうなって行くのでしょうか?

須田)これは相互相乗りです。それをしないと5Gの意味合いがありません。結果的にネット環境にいると、必ずどこかでつながってしまいます。それを分離しようと技術的に成功したとしても、実際のオペレーションのなかでは繋がってしまう状況になります。

飯田)そうすると、上がって来るデータをどちらが取るかという話がよく言われますが、最終的には共有の形になってしまう。

須田)上がって来たデータだけではビジネス、商売にはなりません。それをどうフィードバックして活用して行くか。その辺りの具体的なイメージは、何となく語られているだけでまだ湧いて来ません。恐らく近いうちに、新しいやり方が出て来るのではないでしょうか。
例えば末端の話をすると、日本のエアコンメーカーはすべての製品に対してカメラ搭載型になっていて、IoTに対応することができるようになっています。これに対してGoogleやAppleが提携を申し入れても、そのあたりについて拙速には動かない。それはアメリカの企業に利するようなことになってしまうから、そのネットワークにはまだ入ろうとしていないのです。その体制がどう固まって来るかが今後のポイントだと思います。
そして、いよいよ5Gとなったときに、エアコンのみならずあらゆる家電製品に搭載されているカメラとネットワーク回線を通じて、どういうサービスやビジネスをもたらすのかが注目になると思います。


あらゆる局面に及んで来るIoT技術

飯田)良い方で解釈すると、家庭内の動きが分かれば、足りないものを事前に情報で教えてくれたり、知らぬ間に届けてくれるような便利さになるのでしょうけれど。一方で、全部が筒抜けの社会になるかもしれない。

須田)その一端として、シアトルにインターネット販売大手Amazonの本社があります。そこのアマゾンショップでは、レジもなければ無人化店舗で人の手を介さずに商品を取って、出て行くと清算が終わってしまう。これは別にICチップが埋め込まれているわけではなく、人間の行動や店舗内にどういった商品が並んでいるか、その行動パターンを読み解くことによって、何をいくつ買ったのかが分かるのです。

飯田)棚から手に取って戻したものも、ちゃんとデータとして把握しているらしいですね。なぜ戻したのかというところまで分析していると聞きました。それをマーケティングに生かしているわけですか。

須田)そうですね。あれはパイロットショップですから、それが5Gの世界になるとあらゆる局面に及んで来る。カメラで行動を見ているのです。

飯田)中国などは無人コンビニが出ているそうですよ。すごい世界がやって来る。それが今後どう社会を変化させるかですよね。

須田)しかもそれは、IoTのほんの一部分ですからね。

飯田浩司のOK! Cozy up!
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