ガソリンスタンドの過疎化を食い止めろ! 【ひでたけのやじうま好奇心】

ガソリンスタンド

ガソリンスタンド(イメージ)Wikipediaより

ここ数年、ガソリンスタンドが少なくなっていますね。
数字を見ると驚きます。
経済産業省の発表によると、20年前にピークだった約6万ヶ所に対して、現在は3万2,333ヶ所。
ほぼ半減で、しかも21年連続で減少していて、歯止めのかからない状況です。

最近は、エコカーの普及で、ガソリンの消費量が少なくなっていたり、自動車に乗る若者が少なくなっている…なんて話もありますが、実はガソリンスタンドの減少は思っている以上に深刻な問題なんですね。

ガソリンスタンドが市町村内に3ヶ所以下しかない地域は「GS過疎地」などと呼ばれていて、経済産業省によると、全国各地に288ヶ所あるとされていますが、この数は全国の市町村の約17%に当たります。かなり多いですね。

中には隣接する自治体にガソリンスタンドが数多くあるので、生活に支障をきたさない地域もありますが、最寄りのスタンドまで15キロ離れている…という自治体もかなり多いそうです。

それらのガソリンスタンドの少ない地域は、いわゆる“人口の過疎化”が進んでいる地域も多いのですが、例えば、農業地域の場合、ガソリンスタンドが近くにないと、耕運機などの農業機械にガソリンを入れにいくのも大変で、産業自体が衰退し、過疎化に拍車がかかる可能性もありますし、車を持たない、運転ができない高齢者が多い地域の場合、冬場の灯油の配送などに支障が出ます。
また自然災害が発生した時に、電気などが使えなくなれば、貴重なエネルギーである石油の安定供給も難しくなります。

ガソリンスタンドの過疎化は、地域の高齢化や災害対策という側面でもいろいろと考えなくてはならない問題なんですね。

そうはいっても、ガソリンスタンドの経営もビジネスですから、利用客が見込めない地域では営業を続けていくことは難しいですよね。
経済産業省によると、ガソリンスタンドの約5割は赤字経営。
2015年度には新規開業をしたスタンドは202ヶ所でしたが、廃業したスタンドは1379ヶ所もあったそうです。
こうして数字を見ると、GS過疎地が増えるのもうなずけますよね。

赤字経営が続くと、単純に事業を継続するのが難しくなりますし、エコカーの普及などを視野に入れると、将来に不安を感じるのも確か。
また2010年に改正された消防法も頭を悩ませます。

2010年6月の消防法改正では、スタンドの地下に埋められているガソリンや灯油などを保管するタンクの油漏れの規制が強化され、埋めてから40年~50年が過ぎ、老朽化した地下のタンクは、改修やタンクの入れ替えをしなければならない義務が出来たんですね。

安全のためには仕方のないことですが、国の助成があるとはいえ、改修やタンクの入れ替えにかかる費用は1000万~2000万。
将来的に採算がとれるのかと考えると、結局改修に踏み切れず、これを機に廃業を選んだガソリンスタンドが多くあったそうです。

日本のガソリンスタンドは、高度成長時代に建てられたものが多かったので、40年が過ぎたここ数年が廃業する節目になったということですね。

こうした背景もあって、減少が続いているガソリンスタンドですが、国や自治体も減少を食い止めようと様々な対策に乗り出しています。

例えば、地下タンクも、新しいタンクを地上に設置できるように規制緩和をして、設備投資を少なくするように検討がされていたり、助成金を拡大して、事業を維持しやすいように取り組んでいます。

また自治体の中には、すでに動き出している地域もあって、例えば、高知県四万十市の山間部の地域では「地域住民参加型」のガソリンスタンドの運営が行われています。

高知県四万十市「地域住民参加型」ガソリンスタンド

高知県四万十市「地域住民参加型」ガソリンスタンド

平成17年に地区内唯一のスタンドが廃業したんですが、地元の人たちが協力し、100人を超える人たちが株主となって、出資金を集め、株式会社を発足。
廃止になるスタンドを買い取り、住民の手でガソリンスタンドを運営しています。

もちろん自治体の助成や協力を得ていますが、大切なのは当事者意識で、実際にガソリンスタンドを運営するとなると、住民もそこでガソリンを入れようとなっていきます。地域が運営し地域が使う、まさに地域参加型です。

また買い取ったガソリンスタンドが生活そのものの拠点となるように、お米などの食料品を販売したり、生活雑貨の宅配サービスを行ったり、談話室を設けて、地域のコミュニティの役割を果たすようにしたりと、多角的な運営が行われています。

いま、ガソリンスタンドが少ない地域の自治体では、こうした「生活拠点・地域サービスの拠点」として、ガソリンスタンドを活用していこうという動きが進んでいます。

買い物弱者と呼ばれる人が増えていたり、災害時の拠点がなかったり、そもそも生活雑貨を販売するようなお店が少なかったり…こうした地域の抱える人口の過疎化や高齢化、災害対策をガソリンスタンドと共に提供できるようにしようと考えているんですね。

道の駅すさみ

道の駅すさみ

和歌山県すさみ町では、自治体が「道の駅」に隣接したガソリンスタンドを買い取り、民間事業者に管理を依頼。道の駅で買い物をしてもらい、ガソリンも入れてもらうという取組を始めるため、来月から工事を開始します。
道の駅は災害時の避難所にも指定されているので、地域の人たちが避難した時にも、ガソリンスタンドが役立ちます。

また長野県天竜村では、村内唯一のガソリンスタンドの改修期限を機に、自治体が事業者と協力して、村の中心地にスタンドを移設。
村長自らが積極的に村のスタンドの利用を呼び掛けたほか、地元商工会などが行っていた「食料や日用品の宅配サービス」とガソリンスタンドが行っていた「灯油の宅配サービス」を連携させて効率化を図り、買い物弱者への対応を行ったりしています。

ガソリンスタンドの過疎化を食い止めるには、こうした自治体と事業者と住民の「三位一体の取組」が必要になってくるんですね。

ただ、ガソリンスタンドの過疎化について認識はしているものの、実際に対策に乗り出している自治体は1割に満たないとも言われます。
財政面などを考えると、なかなか動き出せないところもあるんですね。
どうなる、ガソリンスタンド!

9月22日(木・祝) 高嶋ひでたけのあさラジ!三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より