公明党府本部が大阪都構想に賛成せざるを得ない理由

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月20日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。大阪都構想について、公明党が賛成の方向に傾いた経緯について解説した。

公明党府本部が大阪都構想に賛成せざるを得ない理由

統一地方選の結果を受けて、公明党大阪府本部の佐藤茂樹代表らが開いた会見=2019年5月11日 写真提供:産経新聞社

公明党、府本部が維新と会談~大阪都構想に賛成へ

民意を重視するとして大阪都構想の住民投票の容認をした公明党大阪府本部の佐藤茂樹代表は5月19日、表明後初めて大阪維新の会代表の松井一郎大阪市長や吉村洋文大阪府知事と会談した。具体的な実施時期や制度案の完成時期について話し合ったとみられる。

飯田)いままでは住民投票はやっていいよというところでしたが、都構想そのものも賛成へということが出て来ました。

須田)ここに至るまでの経緯を振り返っておいた方が分かりやすいと思います。
今回、クロス選挙、ダブル選挙に踏み切った、そもそもの原因はどこにあったのかと言うと、それまでは公明党と大阪維新の会は都構想については協力体制を取りましょうと約束していました。その協力体制というものは、公明党は都構想そのものには反対だけれども、住民投票までは協力するということ。その見返りとして、今回初めて分かったことですが、衆議院議員選挙において選挙協力、つまり大阪府下の4つの選挙区に対して維新は候補者を立てないことでバーターをやったわけです。ところが土壇場になって、公明党が住民投票に対しても協力しないと言い出して、決裂しました。結果、ダブル選挙になりました。
そうすると確かにクロス選挙で大阪維新の会は勝ったけれども、大阪市議会においては2議席足りない。厳密に言えば3議席足りない。それに対してどうするのか、公明党と関係を修復しなければ、衆議院選挙区を巡る密約、バーターが反故にされてしまう。そこで今回、関係を修復して都構想に対する協力をしますと表明したのです。ところが住民投票まで協力しますよとやって行くと、最後の最後でまた同じことになりかねない。これが1点目。
もう1つは、もし仮に今年の夏に衆参同日選挙が行われたらどうするのか。場合によっては同時期選挙というケースもあります。

飯田)秋にずらしてでも、同じような時期にと。

須田)そうすると国政選挙が終わって、終わった後の住民投票となると、また裏切られるかもしれない。そこに一定程度のタガをはめておこうということで、都構想そのものについても賛成しろと迫っている。そして公明党が折れた。
その背景には何があるのかと言うと、安倍さんはどうお考えか分かりませんが、現在の国会の状況としては解散風が吹き始めていることが、今回の公明党の決定に大きく影響している。
公明党は都構想そのものに賛成なのか反対なのか、どうあるべきなのか。基本的なことができていないなかで賛成するというのも、いかがなものかなと思います。

飯田)中身についてはこれからなのですね。代表として出て来た佐藤茂樹さんも国会議員で、しかも選挙区選出だということを合わせて考えると、ご自身の選挙の当落に大きくかかわって来ます。

須田)ただ国政の場合においては、日本維新の会と公明党の関係は、さほど悪くないのですよ。

飯田)なるほど。

須田)加えて、松井市長と菅官房長官とは太いパイプを持っている。
さらに5月10日ですが、松井市長と吉村新知事が自民党の二階幹事長と、あれだけ喧嘩をしていたのに国会内で会談をして、「大阪万博に協力してください」と言うと「するよ!」と答えている。「夜に飯でも食おうではないか」とも、二階さんは言ったとのことです。この関係も修復してしまいましたから、流れは一気に変わって来ると思います。

飯田)それはすごいですね、市長選で戦った柳本顕さんは二階派です。あんなにバチバチに選挙戦を戦ったのに、もう関係修復。政治の世界はこういうことがあるのですか。

須田)自民党から立候補した柳本さんの立場になると、ちょっとかわいそうですね。

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