70歳まで働くには~40歳で転職できる制度が必要

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月16日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。高年齢者雇用安定法改正案について解説した。

70歳まで働くには~40歳で転職できる制度が必要
高年齢者雇用安定法改正案として2020年の通常国会に提出

政府の成長戦略などを議論する未来投資会議が5月15日に行われ、希望する人が70歳まで働き続けられるよう就業機会を確保して行く方針が取りまとめられた。高齢者の働く場を自主的に拡大することが狙いで、高年齢者雇用安定法改正案として2020年の通常国会に提出する考えだ。

飯田)高齢者の特性に応じて、多様な選択肢を準備する必要があると総理は述べたと、何だか70歳まで働かなければいけないのかと思いますね。

鈴木)70歳まで働き続けられるように企業に努力を求めることは、悪いことではないと思うのです。でもこれはone of themであって、たくさんやらなくてはいけないことの1つに過ぎないと思います。
そもそも何を考えなければいけないのか。少子高齢化、これはもう前から分かっていたことです。今頃と言う感じもあるのです。
1つの企業のなかで長く働くことによって、例えば企業だって新陳代謝や世代交代が必要なわけです。そういうことをどうするのか。企業のなかで高齢者の人ができる仕事はいったい何なのですか…こんな議論も出て来ると思います。いつまでも高齢者がいて重しになってしまい、若い人が出られないということもあるではないですか。

飯田)難癖をつけられて潰されるみたいな。

鈴木)企業の新陳代謝、世代交代という意味で果たしてどうなのか。これはセットで議論しなければならないけれども、ただ70歳まで延ばせばいいということではないですよね。
高齢社会は人生100年とか、未来投資という表現をしているけれども、働ける高齢者ばかりが増えるわけではないのです。むしろ病気の人の方が多いかもしれない。それから言われている高齢者の貧困率が高くて、大変な高齢化社会になる可能性があります。単純に「70歳まで働けますよ」と言っても、働きたいけれど働けない人たちもたくさん出て来る。そういう人たちをどうするのか。

70歳まで働くには~40歳で転職できる制度が必要
40歳で転職できるような制度が必要~セットで考えるべき

鈴木)あとは人生を考えるときに大体、還暦で考えるではないですか。これから第2の人生をどうするのかという。でも、60歳から考えるとやはり遅いのですよ。体力的なものとかいろいろなものを考えると。第2の人生というものは、30代後半とか40歳くらいで考えるような、そこで何か選択して仕事を変わって行けるのであれば、それをフォローするような仕組み。もう少し第2の人生や高齢化社会を考える年齢を早めるということです。そんな政治文化を作って行くとか、いろいろなことをセットで行わなければ。ただ70歳に延ばしたらそれで終わりではない。その辺が社会保障制度も含めてセットでまだ見えて来ないですよね。
これから、そこを早急にやって行かなければいけないと思います。

飯田)未だに社会のイメージとしては、キャリアプランは単線で1個の会社に入ったらある程度、長く勤めるというイメージばかりです。

鈴木)価値観もそうだしね。

飯田)例えば40代50代になって再就職活動をしたところで、何もないぞみたいなことになってしまうわけですよね。

鈴木)ですので、70代までというより、30代、40代で転職できるような制度や仕組みをどうするかということをセットでやらなければいけないですよね。

飯田)そこをやるのであれば、本来なら労働法制なども、少し緩やかにやらなければとか。結局、定年のタイミングでしか解雇することがいまの企業はできないという問題もあります。

鈴木)それを前提にこの話が出て来ているのですよ。その前提を変えないといけませんね。

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