大阪における維新の会と公明党の駆け引きが国政にも影響する理由

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月16日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。大阪における維新の会と公明党の微妙なパワーバランスについて解説した。

2019統一地方選 大阪市長に当選が確実になった松井一郎氏(左)と大阪府知事に当選が確実になった吉村洋文氏。笑顔で握手をかわした=2019年4月7日 写真提供:産経新聞社

大阪都構想をめぐる住民投票、公明党の協力で来年秋の実現へ

日本維新の会代表の松井一郎大阪市長と吉村洋文大阪府知事が5月15日、東京の日本記者クラブで記者会見を行い、大阪市を廃止し特別区を再編する大阪都構想の実現に向け改めて意欲を示した。

吉村府知事)将来を大きく見たときに大阪も東の東京都と、西の大阪都と呼ばれるような大都市として、この日本を成長させて行きたいという思いが根っこにあります。大阪のトータルの視点に立った成長、都市形ができてこなかったというのが大阪の現状だった。そのなかで非効率な二重行政が発生して行きました。これが大阪、本来持つポテンシャルを発揮できなかった。これを解消して行きましょうということです。私と松井市長との任期中にこの大阪都の実現というものを確実に実行して参りたいと思います。

飯田)住民投票は来年(2020年)秋口になるだろうというスケジュールまで、はっきりと示していました。先週末ぐらいから急にガタガタと公明、自民の大阪府連も動き出しました。

鈴木)そうですね。この都構想を巡っては、自公が維新と対峙していたのですが、前の統一地方選挙で松井新市長、吉村新府知事で維新が大勝したわけです。その結果、自公が歩み寄らざるを得なくなった。単純にそういうことだと思います。

【維新のタウンミーティング】都構想について説明する吉村洋文市長=2018年12月9日午後、大阪市住吉区 写真提供:産経新聞社

衆院選と大阪都構想~すべては維新と公明党の駆け引きにかかる

鈴木)さらに言うと、根っ子は維新と公明党のパワーバランスだと僕は思います。この両者がどういう駆け引きをこれから行っていくのか。すべてはそこにかかって来ると思います。
そもそも維新からすると、公明党を引き込む最大のカードは、この衆議院議員選挙で、公明党は大阪が衆議院議員選挙では牙城で、小選挙区で現職が5つの選挙区にいるわけです。近畿という表現をすれば6つということになりますが、ここで1人でも、2人でも落選ということになってしまうと、党の勢い、組織すらガタガタになってしまう。
ところが維新はそこで選挙のときに候補を立てるぞと。維新政権になってから大阪の景気が良くなっていることもあって、維新の支持が高く、都構想にも理解が出て来ている。そこが衆議院議員選で公明党の対抗馬を出すことになれば、公明党は苦戦するわけです。公明党としてはそれだけは勘弁してくれよと。維新としては、それでは条件にこの都構想を一緒にやりましょうと、こういう構図なのですね。
公明党からすると、都構想そのものの是非もあるけれど、本音としては衆議院議員選での棲み分けが維新とできるかどうか、本音の交渉ですよね。そういうところの見通しが立つかどうかだと思います。
15日に永田町で公明党の某実力者と話をしましたが、安倍さんが「解散、解散」と…。

飯田)W選挙かということも含めてね。

大阪クロス選 記者会見する松井一郎・大阪府知事(左)と吉村洋文・大阪市長=2019年3月8日 大阪市中央区 写真提供:産経新聞社

国政にも影響する大阪の維新と公明党の駆け引き

鈴木)これにも実はこの問題が関係しているらしいのですね。要するに公明党としては、牙城の大阪で維新と一緒に大阪都構想の詰めをやっている。協力するなら維新は候補を立てないよと。公明党はそうして欲しい。でもその話がまだついていないのですよ。話がついていないうちに解散総選挙になってしまうと、維新が候補を立てるかもしれないではないですか。話がついていないうちに選挙になったら。
だから公明党としては、この大阪の問題がきちんと決着して維新と握手ができるまでは、解散して欲しくないわけです。解散されると困ってしまうのです。
と言うことは、連立政権を組んでいる自公なのだけれども、公明党は大阪の問題が落ち着くまではW反対になるわけです。

飯田)なるほどね。

鈴木)つまり安倍さんにも解散のタイミングに影響が出て来てしまう。だから大阪の維新と公明の「選挙に候補を出さない、では代わりに都構想を賛成する」という交渉が決着しないと、解散にも影響が出るのです。

飯田)公明党は、解散は絶対無理となっている。

鈴木)そうです。単に大阪だけでなく、国政にも影響して来る。
維新の会の松井さんと選挙のあと話をする機会がありまして、そのときにやはり松井さんが憲法改正についても触れているのです。この勢いのまま都構想が実現する、次は道州制だと。道州制は憲法に自治の仕組みを書き込まなければいけない。すなわち憲法を改正しなければいけないのです。そこで安倍総理に、この道州制や地方自治などのことを書き込んでください、そしたら安倍さんの変えたがっている9条も賛成しましょうと。つまりバーターです。そういう形で憲法改正にも協力してやって行く可能性も示しているわけです。
だから、単純に維新の大阪のエリアの都構想の問題にとどまらず、維新の問題はこれからも国政にかなり影響を与えるということです。

飯田)昨日(15日)の会見でも、松井一郎さんは日本維新の会の代表でもあるから、W選挙や解散について聞かれたときに、こちらとしては大歓迎だと言っていました。これはある意味、公明党へのメッセージでもあるのですね。

鈴木)そういうことです。大賛成だよと言うと、公明党は維新にひれ伏してとまでは言わないが、とにかく「都構想に協力するから候補は立てないでね」と歩み寄っている。

飯田)そのスケジュールですが、松井一郎さんをはじめとした大阪維新との話し合いを近々にやるということで、1回目はマスコミ非公開でやるということまで昨日は言っていました。

鈴木)いかにも権力闘争怪しい感じですね。維新は役割分担をうまくしていると思います。あの橋下さんがものすごく強行に言うでしょう、「選挙区にも維新は候補を立てますよ! 公明なんて潰れるぞ」とかね。そう言いつつ松井さんは結構ソフトではないですか、「意見も聞きましょう」という感じで。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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