「リーゼントの投手はいなかった、これだけは卒業しない」横浜DeNA・三浦大輔投手(42歳) スポーツ人間模様

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今季限りでの現役引退を表明するプロ野球DeNAの三浦大輔投手=20日 写真:共同通信イメージズ

球団初のCS出場が決まった翌日、現役最年長投手、ハマの番長こと横浜DeNAの三浦大輔投手が今シーズン限りの現役引退を発表しました。
ファンも驚いたことでしょうが、通常ベテランの引退は、発表前に噂が広まるもの、今回は担当記者などが「まだ、やる。」という見方をしていました。
もちろん、球団から戦力外の通達があったわけでもなく、本人が熟慮の末、決めたことで、引退の理由は実にシンプル、
「勝てなくなったから。」
でした。
今季は0勝2敗。16日の阪神戦に登板してから、球団へ伝えたそうです。

1991年ドラフト6位で横浜大洋ホエールズへ入団。
「どこでもいいから入りたかった。何位でも行くつもりでいた。でも、小さな希望がひとつあったのは、セ・リーグへ行きたい。」
といい
「テレビに映る機会が多いでしょう。」
と振り返っていたことに、歴史を感じる。

横浜大洋からの生え抜きは、もちろん最後。
その後、横浜ベイスターズ、横浜DeNAと名称が変わった3つのチームで25年を過ごしています。
ラミレス監督がただ1人、名前を呼ぶ際‘さん’付けする選手でもあります。

長くチームに在籍しただけでなく、人格者としても知られています。
師匠として知られるのが現在ロッテの2軍投手コーチをつとめる、小谷正勝さん。
プロ入りした時の
「100人、おまえのことを好きな人がいたとしよう。だけど、嫌いだと思う人も100人いる。それがプロの世界。」
という言葉を、今でも大切にしていると言います。

ここまでの通算成績は172勝183敗ですが
「他の球団にいれば、200勝は達成していた。」
といわれるのも当然と頷けます。だって、かつての横浜は弱かった。

ターニングポイントは2008年のオフ。
FA宣言して阪神などが獲得へ動きましたが、球団やファンが必死に引き止め、結局は残留しました。
男気といえば今は広島・黒田の代名詞ですが、当時の状況を知る人なら三浦の残留は男気以上だったかもしれません。

ゆえにファンは、2009年以降二桁勝利がないにもかかわらず、三浦がいくら打たれようと、スタンドからはヤジが飛ばない-不思議な現象といえるでしょう。
記録よりも記憶に残る選手の典型です。
開幕戦に7試合登板しながら全敗で、これはプロのワースト記録。
リーゼントのヘアスタイルも特異でした。
「ただ、目立ちたい。リーゼントの投手はいなかった。現役はやめても、これだけは卒業しない。」
というこだわりは、一生続きます。

そんな功労者に対して球団も、三浦がつける背番号18を「横浜ナンバー」として、半永久欠番にすることを決めました。
もし、それを継ぐような素晴らしい選手が登場したら、球団が三浦と相談して譲る。
その18番について、三浦は

「今年、2軍にいた時、テレビをみて18番のユニホームを着て、応援してくれるファンがたくさんいた。そこに戻らなくてはいけない。」

と勇気づけられたそうです。

横浜DeNAの残り4試合のいずれかで、三浦の登板があるはずです。
ホームは2試合で22日がヤクルト、24日は巨人。
24年連続勝利をかけた最後のマウンドが楽しみです。

9月21日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」