新行市佳のパラスポヒーロー列伝

2020年も大注目! パラカヌー・瀬立モニカ選手に新行市佳がインタビュー

ニッポン放送アナウンサーの新行市佳が、注目選手や大会の取材などを通して、パラスポーツの魅力をあなたと一緒に発見するための連載企画「パラスポヒーロー列伝」。今回は、パラカヌー日本代表・瀬立モニカ選手を特集します。

5月7日・8日の「飯田浩司のOk! Cozy up!」内でパラカヌー日本代表・瀬立モニカ選手にインタビューした模様をレポートしたのですが、お伝えできないこともありましたので改めてこちらで紹介したいと思います。
瀬立モニカ選手が普段練習されている江東区・大島の旧中川にある練習場に伺いました。
カヌーを保管する艇庫の整備、車椅子の人でもカヌーの艇を乗り降りできるような浮きのつり橋が設置されており、江東区が事業としてサポートしています。
中学・高校のカヌー部員が練習に来ることもあるそうで、モニカ選手が感じているカヌーの魅力「水上ではバリアフリー」が体現されている場所です。
モニカ選手が乗っている艇はポルトガル製で、全長5m20cm、幅50cm、鮮やかな紫色をしていて、その艇に特注の座席(シート)が取り付けられています。
パラカヌーは主に下半身に障がいのある選手が行う競技で、障害の度合いによってL1~L3までクラス分けがされており、モニカ選手は一番障害の度合いが重いL1のクラス。
上半身を使って艇を動かすのですが、腕の力で方向を定め、左右で漕ぐ長さや角度を調整しながらレースに臨みます。シート(座席)の座る位置が合っていないと重心のバランスを崩していまい、上手く進まないため、座骨の位置があっているかを試合前にコーチに確認してもらいます。
まっすぐ進むという一見単純な動作に見えるかもしれませんが、緻密な動きが要求されているんですね。
モニカ選手が今後の課題として挙げているのは、漕ぐ際の左右差をなくすこと。右のストロークに体重を乗せて漕げていないことがあるため、1パドルの精度をあげて、かつ後半失速しないようにペース配分することを意識しているそうです。
普段の練習としては、乗艇練習を週に6回、ウェイトトレーニングは週に3・4回、身体の軸作りや動かし方をマスターするための練習を週3回行っています。乗艇練習はシーズンによってトレーニング内容も異なり、冬場は長距離(2,000m)を漕いでフォームなど試行錯誤しつつ、基礎体力を向上。
シーズンに入ると、冬に作ったものを仕上げていく作業に移行し、ピッチを速めても崩れないように短い距離(100m、200m)を練習。いくつものトレーニングを組み合わせて鍛えることで、水上のバランス悪い中で力を発揮できるようにします。
江東区で生まれ育ったモニカ選手は、2020年東京大会でパラカヌーの試合が「海の森水上競技場(江東区青海)」で行われることに強い想いを抱いています。
「リオパラリンピックに出場した時に、カヌーのリオ出身の選手がメダルをとった際に会場から地響きのような音が鳴って、もしメダルをとったら江東区でこんな景色が見られるのかと鳥肌が立ちました。そこから現実的な目標として2020年でメダルをとることに焦点をあてて頑張ってきています。
地元の人たち、友達、お世話になっている人、色んな人が観ている中で恩返しをしたいという想いが一番にあります。」
地元の友達と一緒にもんじゃを食べることも力の源だそうです。
今年の目標として掲げているのは8月にハンガリーで行われる世界選手権。ここで上位6人の東京パラリンピック出場が決定、その次は来年2020年5月の世界選手権で残りの4枠を争うことになります。
「早く決めちゃいたいです。」とキラキラした笑顔を浮かべながら闘志に燃えるモニカ選手。「この冬場もボリュームアップして、基礎体力・フィジカル・気持ちも上がってきているので、8月で東京パラリンピック出場を決めて、2020年に集中して臨めるようにしたいです。」
水上で行われるスピードレース。
カラフルで華やかな艇がずらりと並び、一番を競い合います。瀬立モニカ選手の姿にきっと地元が沸くことを確信しました。

【新行市佳のパラスポヒーロー列伝 第15回】

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