菅官房長官訪米が意味する日本の官房長官の重要さ

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月10日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。菅官房長官の訪米について解説した。

ペンス副大統領との会談などのため米国へ出発する菅義偉官房長官(中央)=2019年5月9日午前、成田空港 写真提供:時事通信

菅官房長官が米要人と会談

菅義偉官房長官は5月9日、ペンス副大統領やポンペオ国務長官などアメリカの政府要人と会談するため、ワシントンを訪れた。北朝鮮による日本人拉致問題の解決や、沖縄の基地負担軽減に向けてアメリカ側に協力を求めたい考えと見られている。政府の危機管理を担う官房長官の海外出張は極めて異例だ。

飯田)菅さん自身にとっても2015年10月、アメリカのグアムを訪問して以来。平成の30年間でも4人しかいないということだそうです。

宮家)確かに珍しいことではあるけれども、例が無いわけではないですよね。そしてこれは一般論ですけれど、官房長官は危機管理もやるのだけれども、スポークスマンをやるということは、実は外交政策にも大きな影響力を持っている部分があるのですよ。ですから、外交に関心のある官房長官であれば、しかも官房長官を長くやっていたら、どこかに行きたくなってしまうのではないでしょうか。福田さんもそうでした。

飯田)現場を見てみたいと。

宮家)そういう感じですね。そこのところはアメリカも良く分かっていて、実に現金な人たちだから、外国の要人でも有力者でなければ会わないのですよ。

飯田)このペンスさんだとか。

横田早紀江さん(右)と横田めぐみさんの写真を見る菅義偉官房長官=2018年10月8日、神奈川県川崎市中原区 写真提供:時事通信

実質的にナンバー2となった日本の官房長官

宮家)日本の官房長官の役割は、ここ20年くらいで一昔前よりもはるかに重要になっています。アメリカも今の日本の官房長官の政治的な、もしくは行政上の重要性を分かっています。副首相ではありませんが実質的にはナンバー2に近いでしょう。だから米国は会うわけです。権力がどこにあるかをよく見ているなと思います。その両方の思惑が一致したということですが、これは良いことですよね。拉致問題のこともあるし、沖縄のこともあるし。私は拉致の問題を直接は知らないけれど、状況としては米朝関係がおかしくなっているのだから、当然、日朝首脳会談はあり得ることだと思います。水面下でどのくらい動いているか知らないけれど、このタイミングでの訪米は悪くないと思います。沖縄の問題についても、官房長官は大きな役割を果たしていますから。

飯田)いろいろな要人と会うことがもともと予定されていました。ポンペオさんはグリーンランドに行く予定をキャンセルして、アメリカに戻って来たという報道もありましたが。

宮家)ポンペオさんはそれ以外にイランでも忙しいのですよ。だから確かイランのことで、ドイツのメルケルさんとの予定もキャンセルしたはずです。ちょうどタイミングが合ったということなのかもしれませんね。

パトリック・シャナハン – Wikipediaより

シャナハン氏が国防長官に指名された理由

飯田)沖縄の問題も絡めてですけれど、国防長官代行のシャナハンさんと会うことは前々から報道されていましたが、そのシャナハンさんは今度国防長官に指名ということが出ています。

宮家)人がいないのでしょうね。当初トランプさんは軍人が好きだったのですがね。マクマスターさんを国家安全保障担当補佐官にして、マティスさんを国防長官に、それから、ケリーさんというホワイトハウスの首席補佐官もいて、一時は軍人が3人重要ポストにそろったときがありました。しかしいまや皆いなくなってしまいました。軍人からすればあんな風に使い捨てにされるのかと。詳しくは知らないけれど、トランプさんが国防長官に軍人を選ぼうとして私がもしアプローチされたら、「ありがとうございます、光栄ですが」と言って断ると思いますよ。そんな状況でなかなかなり手がいなかったのではないですかね。シャナハンさんはいま代行をやっているし、この人が無難だということでしょう。

飯田浩司のOK! Cozy up!
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