米中貿易協議は最終局面 知的財産権問題より大きな課題とは

ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』(4月30日放送)にジャーナリストの有本香が出演。米中貿易交渉について解説した。

スティーブン・ムニューシン – Wikipediaより

アメリカの財務長官、米中貿易協議は最終局面と見解を示す

ニューヨークタイムズの電子版はアメリカのムニューシン財務長官が28日、中国との貿易協議が最終局面を迎えているとの見方を示したと報じた。両国はきょうから北京、そして5月8日からはワシントンで閣僚級協議を行う予定で、2回の協議で実質的に妥協させ、首脳会談での決着に繋げたい意向とみられている。
飯田)一方でムニューシンさん、多くの課題も残っていると指摘もされているということで、前もそんな話をしたらトランプさんにひっくり返されていますよね。

有本)そうですね。これはもう首脳会談の場でどうなるかというこういうところまで見ないと、こういう見通しだろうというのはあんまりあてにしなくていいということだと思うんですよね。

ムニューシンさんが課題が多く残っているという風に言うんですけれども、これは特定の分野での、いわゆる通商問題というようなことよりも、やっぱりいちばん大きいのは知的財産権。これを中国がきちんと我々が考えるようなラインで保護したり守ったりするのかというところですよね。

私は相当難しいと思います。実際には中国に進出した企業に対して、いままでのように強制的に持っている技術を中国に移転しろというようなことはしませんよと、言う風に向こうも定めて、譲歩するという構えは見せています。しかし、これあまり意味がなく、もうそれ以外の中国における投資環境というのは大きく変わってしまったわけですよね。技術の移転を強調的にということは無いにしても、共産党の組織を外資企業のなかにももれなく作りなさいと。こういう風に決められちゃうと、経営の重要事項を決めるのに、ようするにほとんど共産党の意向がそこに反映できるということになれば、なんでも入れちゃうという世界ですよね。だからあまり意味がないですし。

飯田)強制的に技術のデータを移転させなくても、共産党の組織が経営に口出しして、経営の判断として差し上げますと。強制は我々していませんよと。

有本)ですから全然違うことなので、それで果たしてアメリカは折り合えるんですか、ということはありますよね。だからそのあたりを考えると、ちょっとやっぱり難しいんじゃないかという風に思いますね。

飯田)だから小さな妥協でとりあえずの妥結だけれども、またしばらくするとこれが蒸し返されてくるというか、再び発火すると。

有本)そうですね。それからこのところ習近平国家主席もいろんなスピーチのなかでも中国を改革していくんだと、特にビジネス環境の近代化みたいなことに言及しているんですけれども、それもちょっと放蕩に実施されるかどうかの担保が取れていないわけですよね。

中国が国外に進出へ問題点

一方で中国はいわゆる一帯一路というものでどんどん外に出ていこうとしているじゃないですか。これも目論見通りにはいっているのであろうと。特にアメリカや日本が口出し、日本はリップサービスで口先ではいろんなことを言っているだろうけれども、実際にはそれに対して何かをするってことにはなっていませんから。

今まで中国が国内において完成バブルを作ってきました。特にインフラ整理に関してですね。そういうものを外に展開していこうという目論見だと思います。主に途上国を相手にそういうことをやろうという話ですよね。

それをやっていくことと、アメリカや日本というような先進国との間でルールに基づいて通商、あるいは投資を進めていこうというのは全く次元の違う話です。これをアメリカがやるという風に、はい握手、というふうになるのだろうかと。その疑いの方が大きいですね。

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