日仏首脳会談~気になるゴーン氏についての話

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月24日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。4月23日に行われた安倍総理と仏マクロン大統領の会談について解説した。

日仏首脳会談~気になるゴーン氏についての話

【日産、ルノー、三菱自が共同記者会見】記念撮影に臨む(左から)ルノーのボロレCEO、スナール会長、日産の西川広人社長、三菱自動車の益子修会長=2019年3月12日午後、横浜市西区 写真提供:産経新聞社

日仏首脳会談 G20首脳会合での連携を確認

欧米6ヵ国を歴訪中の安倍総理大臣は4月23日、フランスのマクロン大統領と会談した。6月に大阪で開かれるG20首脳会合に向けて、世界経済や地球環境をめぐる問題で連携して行く方針で一致している。また安倍総理大臣はノートルダム寺院の火災に対する支援の意向も伝えている。

飯田)フランスをスタートとしてイタリア、スロバキア、ベルギーそれから大西洋を渡ってアメリカ、カナダを回って行くということですけれども、まずは日仏です。

高橋)29日まで行っていますよね。21日から1週間。

飯田)1週間。

高橋)最初にG20でフランスということで、大きな話は少ないのですが、ノートルダムやルノーの話をどこまで話したのかということですね。世界経済については、今回はしていませんね。前回フランスに行ったときはマクロ経済政策の話をしましたが。なぜしないのかなと思います。国内の情勢もあって、やりにくいのかもしれないですね。

飯田)日本国内の。

高橋)日本国内の話で、いま消費税増税で観測気球が上がっていますから、経済政策の話はしにくいのではないでしょうか。電子取引や他のデータの話は無難です。ダボス会議でも言っていましたし。案件としては無難だけれども、争点にならないような案件です。

会談のテーマは無難なものばかり

飯田)やるのはすべて合意というような?

高橋)だいたいそうですね。

飯田)日本の方もそうやって経済に関して話しづらい。マクロンさんの方も黄色いベスト運動が下火になったとは言え、まだまだ影響しています。

高橋)お互いに差し障りのない抽象論的、総論的な話が多いのはないでしょうか。ノートルダムやルノーの話は一般論の話ですから、それほど立ち入らないでということでしょう。

日仏首脳会談~気になるゴーン氏についての話

フランスの自動車大手ルノーの新会長に指名されたジャンドミニク・スナール氏(左)と新最高経営責任者(CEO)に指名されたティエリー・ボロレ氏(フランス・パリ近郊)=2019年1月24日 写真提供:時事通信

ルノーと日産の問題

飯田)ルノーに関しては、基本的には当事者同士でということですね。

高橋)フランスはちょっと違うけれど、日本はそうですね。でもフランス政府の方もゴーンさんに対する距離感が広がって来て、突き放している感じがしますけれどね。

飯田)ルノー側は日産との経営統合の話をしたいということです。

高橋)したいのですよ。日産の方は嫌だと言っています。これはなるべく当事者でとしか日本は言いようがないのですよね。

飯田)日本経済新聞はルノー側の焦りに焦点を当てて、業績が悪いから、日産を本格的に取り込んでおきたいというような内容でした。

高橋)これまでもそうですよね、ルノーの収益の大半は日産が稼いでいるわけですから。子会社としてはいい子会社ですよね。もっと取り込みたいと思うのは普通でしょう。

飯田)ただ日産側には日産側の論理があると。

高橋)自分で稼ぐことができるのですから。ルノーまで食わせてあげる必要がないと思ってしまえば、距離感を保ちたいのは当たり前ですよね。日本では私企業だと言えるのですが、ルノーはフランス政府の子会社ですから、ちょっと言いにくいのでしょうね。

飯田)これは建前としては私企業ですけれど、日本政府としては国内第2位のメーカーを取られるのはよくないですよね。

高橋)嫌ですよね。だから私企業ですが日産は、いままで経産省の天下りを受けなかったのが、受けていますからね。ということは、「何かあったときは日本政府、頼みます」というメッセージです。相手がルノーですから政府間交渉となったときに、日産が日本政府とのパイプが無いと不利になるでしょう。

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