みうらじゅんの髪の長さが吉田拓郎なワケ

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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、イラストレーターなど多方面で活躍中のみうらじゅんが出演。「地獄表」から「冷マ」まで、自身の「マイ遺品」について語った。

『みうらじゅん マイ遺品セレクション』発行:文藝春秋社

黒木)今週のゲストはイラストレーターなどをされているみうらじゅんさんです。
『マイ遺品セレクション』にはいろいろなものが収められていますが、時刻表ではなく「地獄表」とか、オヤジギャグも入っていますね。

みうら)たまたま出羽三山の湯殿山というところへ即身仏を見に行ったのです。その途中で時刻表を見ると1日に5本くらいしかなかったのですよ。「あー、地獄だなあ」と思ったのですが、ひょっとすると世の中には1日に1本しか来ないところもあるのではないかなと思ったのです。それ以降、そういう時刻表を「地獄表」と呼ぶようになって、それを探しに行く旅を始めたのです。その、1日に1本しか来ないようなところの時刻表、つまり「地獄表」を写真に収めて行く過程がこれなのです。たぶん僕が亡くなったあとは捨てると思うのですよね、その写真を。DPEでちゃんと焼いているのですが、説明がなければ捨てるでしょう、単なる時刻表だと思うから。「そうではなく、地獄表である」ということをちゃんと言っておかなければ、と思って、ここに発表させていただいたわけです。

黒木)ここに「僕の髪がよしだたくろう」と、ありますが。

みうら)昔、吉田拓郎さんの『伽草子』というアルバムがあって、アルバムのジャケットの拓郎さんの髪型の長さを僕はずっとキープしているのですよ。拓郎さん本人はいま短いのですが、僕はずっと、『伽草子』のマイ遺品としてこの長さを残しているのです。

黒木)あのアルバムは70年代ですよね?

みうら)はい。僕はまだあの髪の毛の長さです。長くなると、ついつい美容室へ行くのですよ。「何でかなあ」と思ったら、あの長さをキープしていたのですよね。

黒木)それはいつからですか?

みうら)浪人のころからですから、もうかれこれ40年以上です。

黒木)1つのことを続けるという特徴がありますね。

みうら)でも、割と飽き症なのですが、他の人と1つだけ違うのは、「飽きないフリ」をしているのです。マイ遺品を残すためには飽きないフリをすることはとても大切です。ついつい魔が差して、家の人に「これはもう捨てていいでしょう」と言われたとき、「ああ」と言ってしまうことがあるのですよ。小学校のときから何回かあったのですが、魔が差してしまうのは飽きているからなのです。
「冷マ」と呼んでいる、冷蔵庫のマグネットがあるのですが、「水のトラブル」のあれです。

黒木)私も地方へ行くと冷マを買います。この本に「冷マ」と書かれていますが、これは全部そうなのですか?

みうら)去年(2018年)、川崎のミュージアムで展覧会をやったのですが、そのときに巨大冷蔵庫を4台置いて、そこに冷マをビッシリ貼って展示しました。美術館だったので、一瞬見ると現代美術のアートのように見えるのですよ。そういう形であれば、残して行ける可能性があるわけです。

黒木)これは冷蔵庫なのですね? 私、箱に貼ってあるのかと思いました。

みうら)冷蔵庫です。冷蔵を拒否している冷蔵庫ですね。この冷蔵庫、ドアが開けられませんから。「冷蔵を拒否する冷マ」という作品ですね。作品にしてしまえば、こっちのもので、「冷マ」というカテゴリーができてしまえば集めやすいですから。

黒木)この『マイ遺品セレクション』という本は贅沢ですね。

みうら)これの冷マの作品は、本当は倉庫から出して来なくては見られないものですから、ものすごく贅沢な1冊だと思います。


みうらじゅん/イラストレーターなど

■1958年2月1日京都市生まれ 血液型AB型
■1980年 武蔵野美術大学在学中に漫画家デビュー
■1997年 「マイブーム」で新語・流行語大賞受賞
■2005年 日本映画批評家大賞功労賞受賞
■2018年 仏教伝道文化賞 沼田奨励賞を受賞

ENEOSプレゼンツ あさナビ
FM93AM1242 ニッポン放送 月-金 6:43-6:49

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