インドネシアで闘争民主党が第1党に~イスラム系とうまく融和できるか

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月19日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。インドネシアの総選挙で第1党となった闘争民主党について解説した。

インドネシアの大統領選で闘争民主党のジョコ氏が再選し、与党第1党に

インドネシア大統領選と同時実施された総選挙で18日、ジョコ大統領が所属する与党闘争民主党が第1党となり、与党連合が国会の過半数を占める見通しとなった。ジョコ氏は大統領選の再選も確実にしていて、勝利宣言をした。

飯田)闘争民主党といういかつい名前ですけれど。

宮家)これは長い歴史があって、インドネシアでもイスラム系の政党とそうでない非イスラム系とがあり、民主党はそのなかでもいちばん大きかったのですけれども、一時は内紛があったのです。内紛によって1度追放されたのですが、メガワティさんがまた新しい政治活動を始めて、そのときに同じ民主党だけれど自分たちは戦うのだということで、「闘争民主党」と名乗ったのだと思います。

イスラム系の人たちとどう融和するか

宮家)インドネシアは島嶼国家、広い面積があって、人口も2憶近いです。あれでよく民主主義がしっかりできているなと思います。インドネシアも昔はそうだったのですけれど、東南アジアでは政権が代わるたびに混乱したり、軍事政権が出て来たりします。ここ数代ですかね、インドネシアでは徐々に民主化が定着しつつあって、本当に素晴らしいなと行くたびにと思います。
ただ今回は、大統領のジョコ・ウィドドさんが勝ったことは勝ったのですけれども、やはりイスラムの国ですから当然いろいろな政治勢力があります。そのなかにはイスラム主義勢力もいるわけで、今回はそれとある程度妥協せざるを得なかった部分があるとも言われています。だから一見勝利して、これからも民主主義を続けて行く反面、イスラム主義の人たち、或いはそれ以外のクリスチャンの人たちだって何千万人もいるわけですから、そういう人たちとの融和をどうやって行くのか、イスラム主義的になってしまうのではないかと心配する人もいます。そこは良く分かります。しかし、インドネシアは本当に大事な国だし、難しい状況の中で民主主義をやっているのは本当にありがたいことだと、つくづく思います。

飯田)キリスト教もいる、バリなどにはヒンドゥー教もいる。かなり多宗教の国家で、一応イスラム教がマジョリティだという話なのですけれど、以前から言われているのは、そこに過激な思想とテロリズムなどが入って来るという恐ろしさもある。

宮家)バリ島はヒンドゥーの島なのですけれども、そこでいろいろなテロがありましたよね。あれも外国から来たと言われているのですけれど、中東系のイスラム主義者の一部は、インドネシアのイスラムはイスラムではない、俺たちが本当のイスラムなのだと言って過激な思想を教えているという説もあり、常に揺さぶられる可能性がある。だからこそインドネシアは大事な民主主義なのです。

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