河野外務大臣がロシア訪問~北方領土交渉を急いではいけない理由

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月18日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。河野外務大臣が北方領土交渉の前進を目指して訪露予定のニュースについて解説した。

河野外務大臣が北方領土交渉の前進を目指して5月にロシア訪問

河野外務大臣が北方領土交渉の前進を目指して5月にロシアを訪問する。11日、12日にモスクワを訪問して、ラブロフ外務大臣と会談することで調整に入っている。

飯田)この日露交渉はどうなっているのですか?

鈴木)去年(2018年)の秋に安倍首相とプーチン大統領が話をして、一気に前に進めるのだという空気になったときに、政権幹部は私に「これはまだまだ厳しいよ」と言っていました。いまでも厳しいですよ。6月のG20に合わせて何か前に進めるつもりなのかもしれませんが、安倍さんは6月が期限だと明言しているわけではありません。
気なるのが、プーチン大統領は北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と会うでしょう。したたかだなと思いました。中国、北朝鮮と会う一方で、日本とも程よい距離をとりながら、日本の後ろにいるアメリカをけん制しています。
経済とアジアというものを、どこまでグラウンドデザインを描いているかは別として、ロシアのプーチン大統領が掌に載せようしているしたたかさを感じるわけです。ですから日本は変に時間を区切って、例えば「6月に何とか成果を」とやっていると刺し込まれてしまう可能性が出て来ます。ここはしっかり構えることが必要です。

飯田)メールもいただいています。“てっちゃん”さん、川崎市の方です。「5月中旬の河野外相の訪露、異例なのではないですか。ラブロフ氏は5月下旬には訪日して会談の予定があるじゃないですか。狡猾なラブロフ氏に利用されなければいい。条約締結への焦りを感じるのですが」。

鈴木)まさに指摘通り、私も同意見です。ここはじっくり構えるべき。パンドラの箱は拉致もそうだけれど、開けてしまうと「何をもって解決か」ということになってしまう。北方領土もパンドラの箱を開けた途端に、「では2島ですか4島ですか?」と問われてしまいかねない。そういうものに乗せられずにしっかり構える。そういう姿勢がいまは大事です。

飯田)世論としては原理原則ということで、それが交渉の後押しになるかもしれない。

鈴木)その通り。相手はしたたかですから。

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