森永卓郎が予測する 令和の日本経済の行方

ニッポン放送「垣花正 あなたとハッピー!」(4月10日放送)に経済アナリストの森永卓郎が出演。森永卓郎がGW以降の日本経済の行方を予測した。1月に行った予測では、「米中貿易摩擦、消費税10%引き上げ凍結、5月のGWをピークにして日本経済は下り坂になる」。では5月以降、日本経済はどうなるのか——。

ワシントンで始まった米中の閣僚級貿易協議(アメリカ・ワシントン)=2019年2月21日 写真提供:時事通信

米中貿易赤字が日本経済に与えている影響

米中貿易摩擦が世界経済に暗い影を落としていることは、間違いありません。中国の経済成長は表向きは6%となっていますが、実はマイナス成長ではないかというエコノミストもいます。これは日本の輸出企業に大きな影響を与えています。日本電産というモーターを作っている会社も、中国への輸出がかなり落ち込んでいると言います。中国をあてにしていた企業は大きな影響を受けています。


米中摩擦は簡単に終わらない~AI、5Gへの覇権争い

トランプ大統領は「今後4週間以内にアメリカと中国の貿易交渉が妥結する可能性があり、そこを目指している」と4月5日に発言していますが、本質的な解決はないと思います。トランプ大統領の本当の要求は中国に「AI、第5世代通信、自動運転という最先端産業から撤退しろ」ということです。
一方の中国は「メイド・イン・チャイナ2025」という計画を作って、その最先端産業を中国の中心にすると言っています。
この、最先端の通信技術の覇者こそが今後の世界を牛耳るわけです。
中国が「じゃあ、降ります」と言うことはありえないし、アメリカも要求を弱めることはない。トランプ大統領がいる限り、着地は無理だと思います。このまま行くと、太平洋戦争の前に関税を掛け合い、世界経済がブロック化して、経済が大失速した。それと似たようなことが起こるのは間違いありません。

新元号を発表する菅義偉官房長官=2019年4月1日午前、首相官邸 写真提供:産経新聞社

新元号、10連休による日本の高景気

5月は改元フィーバーが起こるので、日本経済はピークになります。旅行会社に聞くと予約は2倍~3倍のペースで入っているということです。平成のときは天皇陛下が亡くなったので、自粛ムードがありましたが、今回はそんなことはありません。連休中は旅行でみんなドーンと遊ぶわけです。でも、遊んだ後、恐ろしいことが起こります。


値上げラッシュと働き方改革で消費が冷える

値上げの春と言われていますが、物価がどんどん上がって行く。これから、5月6月7月と値上げラッシュが続きます。物価が上がると実質賃金が下がります。統計で見てもいま、完全に実質賃金はマイナスになっています。そうなると、消費を控える。
そしてもう1つ、この4月から働き方改革が施行されて、残業代が減るわけです。残業代が減るとますます給料が減ります。4月分の残業代はまとめて5月に払われるから、みんな、まだ気づいていないのですよ。GWまでは前の給料で残業代を含んだものが支払われるのですが、5月以降はこの働き方改革で残業代が減った額になるのです。
不動産もマンション価格がピークアウトしています。都心部でもそれは起こっています。これまで、何億というマンションは中国人が大分買っていたのですが、中国の経済が下降しているので、もはや以前のようには売れません。


消費税増税は6月に3度目の延期発表~経済復活は2021年

この状況で、私は10月の消費増税は止めると思います。安倍総理は憲法を改正したい。憲法を改正するためには衆参両院で3分の2以上を与党で抑えないと通りません。統一地方選挙の前半戦を見ても、与党は全勝とはいかなかったわけです。この状況のなかで3分の2の圧勝をしようと思ったら、消費増税を止めるしか手はありません。私は5月か6月に安倍総理が緊急の記者会見を開いて、苦渋の決断だと言って消費増税を取りやめることを発表すると思います。そこで衆参ダブル選挙を仕掛けると踏んでいます。
そして、復活は2021年です。理由は明らかで、大統領選挙でドナルド・トランプが落ちるからです。

垣花正 あなたとハッピー!
FM93AM1242 ニッポン放送 月-金 8:00-11:30

ニッポン放送 ニッポン放送
Copyright Nippon Broadcasting System, Inc. All Rights Reserved.