人は不幸を味わうほど、人の痛みに敏感になれるもの 【瀬戸内寂聴「今日を生きるための言葉」】 第34回

瀬戸内寂聴

年をとるにつれわたしは、憎しみも愛も伝えたいと思いたったときから、必ず一晩寝かせておくという生活の知恵を身につけてきました。一晩の眠りのあとで、なお、恋も憎悪も昨夜のまま燃えていれば、そこではじめてペンをとることにするのです。

でも、今では、愛はその日伝えてしまいなさいといっています。

なぜなら人生は無常で相手も自分も明日生きているとわからないから。

瀬戸内寂聴

瀬戸内寂聴プロフィール

撮影:斉藤ユーリ


出典:『生きる言葉 あなたへ』光文社文庫