ペットと一緒に

ペットにまつわる様々な雑学やエピソードをご紹介していきます!

犬が怖かった少女の変化~「撫でてもいい? あったかいね」

【ペットと一緒に vol.140】

筆者の娘の友人に、犬が苦手な少女がいました。ところが先日、少女自らが筆者の愛犬リンリンを触りたいと言って来たのです。今回は、犬が怖くて仕方がなかった少女が犬好きになるまでのエピソードをお届けします。


「キャーッ!」と悲鳴をあげて犬から逃げる

筆者の娘は現在7歳。4歳の頃からの友人Yちゃんは、犬の散歩がてら訪れた公園で娘と一緒に遊んだり、家に遊びに来たりしていました。ところが、筆者宅の愛犬であるノーリッチ・テリアの2頭が怖くて仕方がありません。

筆者の愛犬 体重は5kg台の短脚テリア種

公園では犬たちと距離があるので問題ないのですが、自宅へ来ると、まずYちゃんは母親の後ろに隠れて犬の様子をうかがいます。愛犬たちは人懐っこいので、客人が来るとしっぽを振りながら近づいて行くのがいつものパータン。けれどもYちゃんのために、大仰に振る舞うミィミィは抱っこして出迎えます。

「今日は大丈夫かも」とYちゃんが言うと、老犬で動きがゆったりしているリンリンは床に下ろしたまま、あいさつをさせます。が、やはりいつも「ムリかも」とYちゃんはギブアップ。

リンリンはYちゃんが慣れるまでここで待機

少し慣れて来た頃にリビングで愛犬たちを放して様子を見ますが、愛犬がYちゃんに近づこうものならば「キャーッ」と悲鳴をあげながらYちゃんはソファの背にまでのぼってしまいます。キャーキャーという高い声と素早い動きを見ると、犬たちは遊んでいるのかと思って興奮し、Yちゃんを追いかけてソファに飛び乗ろうとしますが、そこは筆者が愛犬を抱っこをしたりして阻止。

愛犬たちが昇降しやすいようにローソファなので逃げ場には不向きかも……

実はYちゃんの母親は、大の犬好き。「昔、親戚の家にとても賢いシェパードがいてね。当時の私の将来の夢は犬の訓練士になることだったの」と、筆者のママ友は語ります。

そのため、Yちゃんには小さい頃から「ワンワン、かわいいね~」などと語りかけていたそうで、「1度も犬に関して『危ないから近寄ってはダメ』とか『咬まれるかも』なんて言ったことないのに、なんでYは犬が苦手なのか謎だわ」と苦笑い。


犬への理想的な接し方を娘がレクチャー

筆者の娘は、愛犬に威嚇されたり吠えられたりしても決してめげることなく、リンリンとミィミィに対する愛情を日々深めているようです。1日に何度も、「ママ見て! リンリンがいますごくかわいいよ」と筆者に語りかけるほど。

そんな娘は「Yちゃんにね、どれだけ犬がかわいいかを今日こそわかってもらおうと思って」と、7歳になった頃から言いだしました。

娘は愛犬が好きすぎて窓にこんな絵を描きました

Yちゃんに「あのね、犬さんたちは、相手が怖がっていると何だか心配になるの。だから、怖いって思うのをやめてみて」と、娘。なかなかむずかしい注文ですが、Yちゃんは深呼吸をして落ち着こうとしています。

「でね、犬同士のあいさつでは相手の目を見るのはマナー違反なの。だから、リンリンやミィミィの目を見ないで」と、娘は続けます。娘に従いつつ、半ばフリーズしているYちゃんに対して次はこんなレクチャー。

「大丈夫? 次は、手をゆーっくり前に出して、リンリンとミィミィににおいを嗅がせてあげて。そうやって自分のことを紹介してね」。

「ねぇYちゃん、一緒に遊ぼうよ」byミィミィ

まったく動かないYちゃんに対しては、愛犬たちの反応も薄め。それほど興味がなさそうな様子でYちゃんに近づき、手のにおいを少し嗅いで筆者のもとへ戻って来ました。少し緊張がやわらいだのか、Yちゃんもゆっくり歩いてテーブルにつき、ランチがスタート。足元に犬たちが近寄っても、もう悲鳴をあげることはありません。

「ね、大丈夫でしょ?」と、娘はどこか誇らしげでした。


Yちゃんが犬のリードを持つ

娘のレクチャーの日から数ヵ月後、Yちゃんの母親から連絡がありました。「あのね、娘がリンリンちゃんとミィミィちゃんに会いたいって言ってるんだけど、また遊びに行ってもいい?」と。筆者は耳を疑いました。

「え? Yちゃんがアタチに会いたいって!?」byミィミィ

Yちゃんが急に犬と触れ合いたくなった理由は、母親もよくわからないとか。いずれにしても、久々に遊びに来たYちゃんは玄関でも「あ、どっちがリンリンだっけ?」と、ほとんど怖がってはいません。娘は、「どれだけ私が犬を愛しているかを知ってほしいと思って、きょうはテリアのTシャツを着てるんだよ」とYちゃんに熱く語っています。

Yちゃんは次第に「ねぇ、リンリンを撫でてみたい」と言い始めました。筆者の犬たちは人に撫でられるのが好きなので、もちろん快諾して撫でてもらうことに。「うわぁ~。かわいい」とほころぶYちゃんの笑顔を見て、筆者やYちゃんの母親も笑顔になりました。

リンリンのリードを持つ筆者の娘

夕方になり、Yちゃんの家の近くまで犬の散歩がてら送って行く途中、Yちゃんは言いました。「ねぇ、犬のリード持ちたい」。人通りも車通りもほとんどない道へ入ると、筆者は老犬リンリンのリードをYちゃんに持たせました。

「ふふふ」と、Yちゃんと娘は何度も目を合わせながら、そして歩みが遅いリンリンの歩調に合わせながらうれしそうに歩いています。それを見て、筆者の胸が熱くなったのは言うまでもありません。娘の願いと努力が実ったとも言えるでしょう。

犬のやさしさやあたたかさを少しでも多くの子供たちが知り、犬と心を通わせる喜びを味わえる人がもっと増えますように。

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