鳥の目で見ると、カラスの雄と雌は色が違う⁉

タグ

黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、恐竜専門サイエンス・コミュニケーターの恐竜くんが出演。人間が鳥や魚に比べて見える色の範囲が少ない理由について語った。


黒木)今週のゲストは恐竜専門サイエンス・コミュニケーターの恐竜くんです。
恐竜のことを知ることで、私たち人間の進化もわかるのですか?

恐竜くん)他の生き物を理解することで、私たち哺乳類、人類のこともわかって来ます。原則として私たち人間や犬や猫も含めて、哺乳類は動物全体で見ると、とても目が悪い動物です。人や猿の仲間は哺乳類のなかでは目がいいほうなのですが、多くの哺乳類はまず、色が見えません。犬や猫もほとんど色はわかりません。牛が赤い色を見せると襲って来ると言いますが、あれはまったくのでたらめで、牛が見る世界はモノクロです。実は私たちも色を取り戻そうとしている途中です。私たちの色を見る能力もまだ、不完全なのです。

黒木)え? 見えているではないですか。

恐竜くん)美術の授業で三原色という言葉が出て来ます。鳥は私たちが見ることができない紫外線を、完全に色として識別することができます。カラスはどれも同じ色に見えて、雄も雌も見分けがつきませんが、それが私たちの目が悪い証拠で、本当はカラスの雄と雌は違う色をしているのです。鳥の目で見るとカラスは雄が赤っぽい色をしていて、雌は紫色でまったく違う色をしています。ですからこの世界も、鳥や恐竜の目には私たちが見ているよりも遥かに華やかに見えているはずです。

黒木)紫外線の色も見えているということは、鳥から見ると世の中はとてもカラフルに見えているのですね。

恐竜くん)私たちがなぜ目が悪くなったかと言うと、恐竜が地上を占拠していた時代があまりにも長くて、少なくとも1億6,000万年以上の間、恐竜が天下を取っていたからです。その間、私たち哺乳類は恐竜と共存していたのですが、表舞台を彼らが占拠していたので、夜、恐竜たちが寝静まってからしか動き回れませんでした。また、洞穴に住むなど、長い間暗いところでしか生活ができなかったので、色が見える必要がなくなってしまったのです。それよりも音に敏感になったり、匂いに敏感になることの方が重要になったので、目よりも他の部分が進化して来たのが我々です。本来、哺乳類は見た目よりも、匂いや音に頼って生きて来たのです。

黒木)人はどの時点で色を認識できるようになったのですか?

恐竜くん)猿は哺乳類でも色を見る能力があります。おそらく樹上で生活していて、果物や木の実を食べているうちに色を識別するようになったと考えられます。あとは恐竜が絶滅した後、哺乳類が表舞台に出て、昼に活動するようになり、そのなかから猿の仲間が進化する過程で食べ物を見分けるために色を見分けることが必要になって、もう1度色を見分けられる能力を獲得し直したと考えられます。

黒木)それでもいま、不完全なのですね。

恐竜くん)困らない部分は獲得しているので、これからさらによくなるかどうかはわかりません。鳥や魚が見えている色の範囲からすると、私たちが見えている色は少ないですね。


恐竜くん / 恐竜専門サイエンス・コミュニケーター

■1981年・東京都出身。
■6歳の頃に上野の国立科学博物館のエントランスで見た恐竜の骨格に一目ぼれ。恐竜に目覚め、16歳でカナダに単身留学。恐竜の研究が盛んなアルバータ大学で古生物学を中心にサイエンスを学ぶ。
■卒業後も国内外の研究機関や博物館と交流しながら、最新の研究成果を取り入れ、科学教育・普及活動に注力。
■現在は恐竜展の企画監修からトークショーや体験教室の開催、イラスト制作、造形物のデザインや学術アドバイス、執筆、翻訳、メディア出演などで活躍。
■恐竜を通して生き物や自然、科学や環境問題など、世界の様々な物事に目を向けてもらう「きっかけ」をつくることをテーマに活動を続けている。

ENEOSプレゼンツ あさナビ
FM93AM1242 ニッポン放送 月-金 6:43-6:49

Copyright Nippon Broadcasting System, Inc. All Rights Reserved.