米中閣僚級貿易協議~合意しても一時的なもの

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月22日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。米中の閣僚級貿易協議について解説した。

ワシントンで始まった米中の閣僚級貿易協議(アメリカ・ワシントン)=2019年2月21日 写真提供:時事通信

アメリカと中国が28日から閣僚級貿易協議を開催へ

中国の商務省は21日、米中両政府が今月28日と29日に北京で閣僚級の貿易協議を行うと発表した。来月初めには劉鶴副首相がワシントンを訪れ、協議を継続する方針とのこと。

飯田)この時期に米中首脳会談をやるのではないかということは、最初に話していましたよね。

宮家)中国という国は、とにかくきっちり外交をやる国です。この間、アメリカが北朝鮮とハノイで首脳会談をやったら、途中で決裂して上手く行かなかったではないですか。中国ではああいうことは絶対に許されません。ですから閣僚レベルでも、どの部分で合意できて、どの部分が合意できないかをきっちりと事前に詰めるのが彼らのやり方です。下から上げて行って、最後は首脳レベルで「OK」、成功したと言う形にしたいわけです。だからと言ってアメリカは中国を全面的に信頼し合意に到達して、「関税なし」などということは絶対にしない。なぜならば、米中の問題は覇権争いなので、貿易は一足目に過ぎないからです。スターウォーズの「エピソード1」に過ぎないのです。

米中閣僚級貿易協議を前に撮影に応じるライトハイザー米通商代表部(USTR)代表(左)、中国の劉鶴副首相(中央)、ムニューシン米財務長官(右)(中国・北京)=2019年2月14日 写真提供:時事通信

今回は一時的な合意をするに過ぎない

宮家)アメリカにとっては、2020年に大統領選挙がある。トランプさんはそこへ向けて、あれだけ中国に喧嘩を売って、「中国がひれ伏してこんな合意を勝ち取った」と、「ほれ見ろ!」としたいわけです。来年の大統領選はニューハンプシャーなどから始まるので、もう1年を切っているのです。そうなれば当然のことながら、何か結果を出さないといけない。だけど来年だって貿易交渉はやらなくてはいけないのだから、米側は絶対に圧力は下げられない。今回できるのは、一時的で限定的、表面的な合意でしかない。中国もそれは良く分かっている。なぜかと言うと、中国は最後の最後まで全てを対米譲歩する気がないからです。補助金の問題やいろいろな中国政府の介入、保護主義的な措置は絶対に止めない。彼らは保護主義反対と言っているけれど、冗談ではない。彼らぐらい保護主義者はないわけですから。それをもし放棄してしまったら、中国共産党自身が危なくなってしまう。そんなことをするわけがないです。であれば、今の状況は今後長く続く米中覇権争いの「エピソード1」の第1ラウンドがそろそろ終わるかなという感じです。

飯田)これはどのくらい続くものですか?

宮家)最低10年。日米だって何年やりましたか? 80年代から本格化して、少なくとも10年。70年代からすでに問題はあったから、そうなると20年以上。そりゃあ何回でもやりますよ。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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