10時のグッとストーリー

“酪農は大変”なイメージを変えたい! 家族の時間も両立する新しい酪農へ

番組スタッフが取材した「聴いて思わずグッとくるGOODな話」を毎週お届けしている【10時のグッとストーリー】

きょうは、後継者不足を解消するため新しい酪農のモデルを作って、家族の時間を大切にしている酪農家のグッとストーリーです。

釧路市で酪農を営む 大西博 さん

湿原にタンチョウヅルが降り立つ自然豊かな街、北海道・釧路市。ここで150頭近い牛を飼い、酪農を営んでいるのが、大西博さん・52歳。

農業系の大学を出たあと、お父さんが始めた酪農業を継いだ大西さん。酪農の道へ入って30年。2008年に牛舎を新築し、牛の数も増やしました。このときに博さんは、JAの勧めもあって、効率的な新しい酪農家のモデルを作ろうと決意したのです。

「酪農家も後継者不足に悩んでいるんです。酪農は大変、というイメージを少しでも変えようと思って、チャレンジしてみることにしました」

牧場で使用している搾乳機(ミルカー)

かつては、すべて手作業で行っていた乳搾り。いまは牛のいるところに移動し、乳搾りをすべて自動でやってくれる最新鋭のロボットも開発されています。博さんは、こういった最新の機器をいち早く導入。さらに10年以上、毎日日誌をつけ、日々の作業内容を徹底的に見直して行きました。

「こうすることで作業のムダも省けますし、トラブルを未然に防止することにもつながるんです」と言う博さん。この日誌をもとに効率的な作業マニュアルを作成し、去年の8月、食品安全管理に関する国際認証「ISO22000」を取得しました。作業能率を高めたことで、高い品質の牛乳を少ない人数で生産することが可能になり、一部の軽作業はご両親に手伝ってもらっていますが、主な作業は夫婦2人でまかなっています。

「昔は、酪農をやっていると旅行には行けなかったんですが、いまは『酪農ヘルパー』という外部委託の制度もありますし、家族でよく旅行に出かけてますよ」

大西博さん(左)と妻・麗子さん(右)

ヘルパーを呼ぶときも詳細なマニュアルがあるので、決して牛乳の品質が落ちることはありません。地域の会合やPTAに夫婦そろって出席することもできるようになり、心にゆとりも生まれました。春から高校生になる長男と中学生の次男は、2人とも酪農業を継ぎたいと言っているそうで、詳細なマニュアルがあるおかげで事業の継承もスムーズに行きそうです。

博さんを支えてくれている11歳年下の妻・麗子さんは大阪出身の都会育ち。もともと酪農には縁がありませんでしたが、ある日、釧路の農家のアルバイト募集に大阪から麗子さんが応募。親睦飲み会で2人は知り合いました。博さんによると、「妻のお父さんはサラリーマンで、単身赴任が多かったそうなんです。農家にお嫁に行けば夫婦でずっと一緒にいられる、というのがあったみたいですね」

「大西牧場」の牛舎全景

麗子さんと親しくなり、何度かデートを重ねた博さん。麗子さんが1年半のアルバイト期間を終えて大阪に帰ると知り、博さんは「これが最後のチャンス」とプレゼントを渡しました。それは…「絵本」。

「『これ、読んでごらん』と『100万回生きたねこ』をプレゼントしたんですが、最後のページにメモを挟んでおいたんです。『結婚しないかい?』って(笑)」

入植100周年記念に撮られた、大西さんご家族の集合写真(2018年夏)

麗子さんはプロポーズを承諾し、2000年に2人は結婚。4人の子宝にも恵まれました。最近は、酪農家の組合でも重要な役職を任されるようになった博さん。プレッシャーもかかり、何かとストレスもたまりますが、そんなとき黙って愚痴を聞いてくれるのが麗子さんです。

来年、ちょうど結婚20周年を迎える大西さん夫妻。マメな性格の博さんは、節目節目での祝い事は欠かさないそうで、来年も記念イベントを企画中とのこと。博さんは言います。

「先日も夫婦で話したんです。『つらいときも嬉しいときも、苦楽を共にできる人がそばにいる……それって、かけがえのないことだよね』って」

八木亜希子 LOVE&MELODY
FM93AM1242ニッポン放送 土曜 8:00-10:50

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