実情とは違う法人企業景気予測調査“マイナス1.7”

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月13日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。財務省と内閣府が発表した「法人企業景気予測調査」について解説した。


大企業景況感

財務省と内閣府が3月12日、法人企業景気予測調査を発表した。今年1月~3月にかけての大企業の景況感を示す指数が全産業でマイナス1.7となった。マイナスとなるのは3四半期ぶりとなる。

飯田)法人企業景気予測調査、1万5,600社あまりが対象で、3ヵ月ごとの実施ということです。

高橋)法人企業調査は財務省がやっています。税金などはありますが、財務省が持っている統計は関税くらいです。これは「財務省の景気判断でしょう」と言えるものです。これを使いながら、最終的には企業の動向とかGDP統計などで数値として使っている。けっこう重要な統計です。実際でも景気を見るときには内閣府の景気動向指数を見ます。それで「上がった、下がった」とやっている。ここ3ヵ月ずっとマイナスなので、これは完全に下方修正ですね。


消費増税の後、景気は3年間下がり続けた

高橋)でも、そもそも景気動向指数の調査は怪しいと言えば怪しいのです。その前にいま景気はどうかと言うと、これは景気動向指数の調査以外に月例経済報告という閣議にかけるものがあって、それでは「景気はずっと拡大しています」と言っているのですよ。

飯田)そうですよね。

高橋)何と「安倍政権初期からずっと拡大しています」と言っている。

飯田)消費増税も影響は軽微だったのですよね。

高橋)軽微と言うか、本当はものすごく下がっているのを「拡大している」と言い続けている。私なんか「消費増税の後に3年間下がり続けた」と言い続けているわけです。消費増税の影響はなくて、「安倍政権はずっと景気拡大している」なんて、数字をどう見てもあり得ない。

飯田)どう考えたってそれはおかしい。

高橋)誰が見たってこれは有り得ない。

飯田)あの増税後も、「2ヵ月は後退したけれど3ヵ月は後退しないから、これは景気が拡大し続けている」と。

高橋)それはよくわからないですね。

飯田)意味の分からない説明をしていました。


下がっても政府は「景気後退」とは言わない

高橋)3年間ずっと下がっているのだけれど、「景気後退」とは言っていない。いまでも景気後退とは言わない可能性がある、というレベルなわけです。
だから景気動向指数を見ると上がったり下がったりしていて、確かに安倍政権ができてから消費増税まではすごく上がっています。その後3年間下がって、その後また上がっているという話です。こうやって数字見ていると、景気なんて判断は適当にやっているなということが分かると思いますよ。政府の気持ちを言っているだけなので、データとしては違うと思います。

飯田)でもこの気持ちの部分が先行して出てしまうと、政策判断を誤りますよね。

高橋)こんなときに「景気がいい」なんて言っても、この法人企業統計でも悪いと出ているわけです。アンケート調査で聞くと、「自分の会社は良くない」と皆言っている。数字は嘘をつかないですよ。政府の役人は嘘をつくかもしれないけれど。

「英EU離脱へ」EU離脱案、大差で否決  15日、EUとの離脱合意案の採決前に英下院で演説するメイ首相=ロンドン(ロイター=共同)

英のEU離脱に中国の景気減速が重なり、リーマンショック級以上のものが来る可能性

飯田)その上、きょうの7時冒頭のニュース、イギリスのEU離脱。

高橋)離脱はリーマンショック級になり得ますよ。中国もあるし。

飯田)中国の景気の減速がどうなのかと。

高橋)6%というのは真っ赤な嘘です。中国の統計偽装はすごいですよね。5%なんか平気で動かします。ゼロ成長かマイナスだと思いますよ。
リーマンショック級のイギリスEU離脱に中国。当然、日本はそこに影響を受けます。10月の消費増税なんてとんでもないという議論になるはずです。4月以降そうなりますよ。海外要因だけではなく、国内要因で実は景気が下がっているのです。去年の10月から下がっているのですが、その兆候は、その前の2017年の末にある。それは2016年9月にYCCと言って金融引き締めをしたからです。その結果が出ると私は予測していましたが、その通りになっています。

飯田)なるほど。金融政策を引き締めると、悪くなるのが半年後とか。

高橋)1年位先です。だから1年位して見事に悪くなった。悪くなっていて、いま駄目押し的に悪くなっている。これでリーマンショック級が起こると、坂道を下っているときに後ろから押されたようなことになって、真っ逆さまというパターンですよ。

飯田浩司のOK! Cozy up!
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