植物を育てるコツは「原産地の環境に近づけること」

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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、庭園デザイナーの石原和幸が出演。植物を育てるコツについて語った。

植物を育てるコツは「原産地の環境に近づけること」

2017年の作品(作:石原和幸)

黒木)今週のゲストは庭園デザイナーの石原和幸さんです。植物と触れ合うきっかけとして3つの鉢というものを提案されているそうですけれども、どういう意味なのですか?

石原)まず1つ飾ると、初めての方は物と思ってしまうのですよね。生きていると思っていないので、水をやらなくて枯らしてしまいます。難しいことは考えずに好きな鉢を3つ並べると、何か気になるじゃないですか。ですから、1つより3つがいいんじゃないかなって。

黒木)なるほど、そういう意味の3つの鉢ということですか。

石原)枯らしてもいいのです。「何で枯れたのかな」ということを勉強すると、そのなかで1つでも花が咲いたり、新しい芽が出て来ると可愛くなります。そのように植物に触れあっていただきたいなと思っています。

黒木)植物は私も大好きなので、お花を貰う機会も多いですし、蘭もいただく機会があるのですが、お花は散りますよね。でも散った後からが勝負なのですよね。これを育てています。芽がもうどんどん出て来ています。

石原)胡蝶蘭?

黒木)胡蝶蘭。コツがあるのですよ。

石原)どんなコツが?

黒木)とにかく下がカラカラになるまでは水をあげない。それでカラカラになったら水道の所へ行って、流水します。その流水も、長くします。5分くらい。とにかく水を絶対下のお皿に溜まらせない、根腐れさせない。

石原)胡蝶蘭は着生蘭と言いまして、樹の谷間の所に着生して根が垂れ下がって、空気中の湿度で生きているのですね。乾燥させることによって水を「ぐわっ」と吸い上げます。ですから、黒木さんの胡蝶蘭はベストな状態です。すごいです。

黒木)どういうことを心がけたら良いのか、湯布院の農家の方に伺ったときに、「人と一緒です」と言われたのですよ。暑いところに居たら暑いでしょう。ものの5分で、日陰に行きたくなるでしょう。「人が感じることと同じことをしてあげたらいいよ」と言われました。

石原)もう1つ大切なことは、「どんなところで育っているのだろう」ということです。原産地ですね。

黒木)そこまでは分からないなあ。

石原)ネットで胡蝶蘭と調べると必ず原産地が出て来ます。

黒木)その種類ということですか?

石原)その種類の原産地。東南アジアのどこが原産地か出て来ます。「そのエリアはどういう景色なのだろう?」「どういう人がいるのだろう?」とイメージして、その環境に近づけてあげるとすごく喜ぶと思います。

黒木)そんな感じで私も植物と一緒に、話しかけたりしています。

石原)とてもいいと思います。

植物を育てるコツは「原産地の環境に近づけること」
石原和幸/ 庭園デザイナー

■株式会社石原和幸デザイン研究所代表。
■1958年・長崎県生まれ。60歳。
■22歳で生け花本流『池坊』に入門。以来、花と緑に魅了され、路上販売から店舗、そして35歳頃から庭造りをスタート。
■その後、苔を使った庭で独自の世界観が国際ガーニングショーの最高峰である「英国チェルシーフラワーショー」で高く評価され、2006年から3年連続で金メダルを受賞。
2012年からは7年連続でアーティザンガーデン部門の金メダルを受賞。さらに部門内1位に贈られるベストガーデン賞と併せてのW受賞は5度。
また主催者が最も好きな庭として選ばれるプレジデント賞を2016年の作品、「ガレージガーデン」で受賞。
※チェルシーフラワーショーは、英国王立園芸協会が主催し、毎年5月にチェルシーで開催される伝統行事。1913年以来続く、世界最古にして最も権威のあるガーデニング&フラワーショー。600もの出展者がそれぞれのジャンルに分かれた庭園などを出展する。
■エリザベス女王とも接見し、「緑の魔術師」と称される。
■現在は商業施設や病院、学校、個人邸などのガーデニングを行うなかで、全国で庭と壁面緑化事業を独自に展開。環境保護(=美化)に貢献すべく活動。
■著書に「世界一の庭師の仕事術」「緑のアイデア」写真集「庭」など。

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