日本全国の町おこしをオープンガーデンでつなげる

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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、庭園デザイナーの石原和幸が出演。現在、日本各地で手掛けている町おこしについて語った。

日本全国の町おこしをオープンガーデンでつなげる

2016年の作品(作:石原和幸)

黒木)今週のゲストは庭園デザイナーの石原和幸さんです。
石原さんがやっていらっしゃる町作りですが、広島県庄原市の活動でのオープンガーデンの取り組みや、東日本大震災で被災した女川町。それと雲仙の町おこし。これはどのような取り組みなのでしょうか?

石原)庄原は自分が生まれた長崎の原風景そっくりだったのですよ。棚田があって、バス停に立っていると誰かが葡萄などを持って来て。そこで農家の方たちの庭先を綺麗にして、オープンガーデンにしませんかと持ち掛けたのです。5年位前から始めたのですが、いまでは7万人の方に来ていただけるようになりました。人口の倍です。たくさんの方に来ていただくことによって、ホテルは埋まるし、レストランが繁盛します。移り住んで来る人もいます。庄原がそうなると、日本中をオープンガーデンでつなげて行きたいと思いました。
例えば宮古島。暖かいところの人は、雪を見たことが無いから雪を見たい。そこで庄原と宮古島のオープンガーデンの人が姉妹提携する。そうしたら交流が始まります。あちこちの町おこしをオープンガーデンでつなげて行ければなと思っています。

黒木)女川町では何を?

石原)女川はぜんぶ被災してしまいまして、僕が2011年4月に行ったときに、自分に何ができるだろうと考えました。僕は2011年、エリザベス女王の前で東北の風景をイメージした庭を造りました。女王が「何かお手伝いできないか」ということを言ってくださったので、「この庭を日本に持ち帰りたい」とお伝えしました。それは羽田空港に展示してありますが、女川はきっとこんなきれいな町だったのだろうなとイメージして作りました。いまはJR女川駅に苔でできた、ピーターラビットのお庭を作りました。女川の町全体がガーデンシティになって、沢山の方の来ていただきたいと思って、年に何回か、お手伝いに行かせていただいています。

黒木)そうやって取り組みをしているわけですね。

石原)雲仙は私の出身地です。愛野展望台というところが雲仙の入り口にあります。ここで人の心をつかみたいと思って、10mくらいの緑のタワーを作りました。その前に三段の滝を作ったのですが、いまはとても多くのお客様に来ていただいています。

日本全国の町おこしをオープンガーデンでつなげる
石原和幸/ 庭園デザイナー

■株式会社石原和幸デザイン研究所代表。
■1958年・長崎県生まれ。60歳。
■22歳で生け花本流『池坊』に入門。以来、花と緑に魅了され、路上販売から店舗、そして35歳頃から庭造りをスタート。
■その後、苔を使った庭で独自の世界観が国際ガーニングショーの最高峰である「英国チェルシーフラワーショー」で高く評価され、2006年から3年連続で金メダルを受賞。
2012年からは7年連続でアーティザンガーデン部門の金メダルを受賞。さらに部門内1位に贈られるベストガーデン賞と併せてのW受賞は5度。
また主催者が最も好きな庭として選ばれるプレジデント賞を2016年の作品、「ガレージガーデン」で受賞。
※チェルシーフラワーショーは、英国王立園芸協会が主催し、毎年5月にチェルシーで開催される伝統行事。1913年以来続く、世界最古にして最も権威のあるガーデニング&フラワーショー。600もの出展者がそれぞれのジャンルに分かれた庭園などを出展する。
■エリザベス女王とも接見し、「緑の魔術師」と称される。
■現在は商業施設や病院、学校、個人邸などのガーデニングを行うなかで、全国で庭と壁面緑化事業を独自に展開。環境保護(=美化)に貢献すべく活動。
■著書に「世界一の庭師の仕事術」「緑のアイデア」写真集「庭」など。

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毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳

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