米朝首脳会談~気になるトランプ大統領の“優先順位”

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ニッポン放送「宮家邦彦のOK! Cozy up!」(2月22日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。米朝首脳会談に向けて、トランプ大統領の非核化に対する姿勢の変化について解説した。

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2019年1月18日、北朝鮮の金英哲朝鮮労働党副委員長(右から4人目)と面会するトランプ米大統領(左端)[ホワイトハウスのスカビノ・ソーシャルメディア部長のツイッターより]=写真提供:時事通信

来週の米朝首脳会談開催に向けた実務者協議がスタート

今月27日と28日にハノイで開かれる2回目の米朝首脳会談に向け、北朝鮮の国務委員会の金革哲(キム・ヒョクチョル)氏とアメリカ国務省のビーガン特別代表が協議に臨み、初日は2時間半ほどで終了した。また、アメリカの政府高官は21日に電話会見し、来週の再会談では共同声明の発表を目指していることを明らかにしている。

新行)実務者協議はきょう以降も行われるということですが、来週に迫って来た2回目の米朝首脳会談、改めて今回注目するべきポイントはどこになりますか?

宮家)進展が全然ないわけですよ。ビーガン特別代表が先月末にスタンフォード大学でスピーチをしました。これが非常に重要なスピーチで、簡単に言うと非核化と、それに対する報酬、例えば経済制裁を緩和するとか、朝鮮戦争の終結とか言われていますが、それを「非核化やらないとはダメ」と言っていたのが、同時並行みたいなことを言い始めているわけです。ちょっと待ってよと。そもそもこの交渉というのは非核化をする為にやっていたわけで、非核化させるために一所懸命圧力を掛けて条件を付してやっていたのに、「いまさら何を」と言いたくなるくらいアメリカが折れてしまっている。それで本当にいいのかと。それは北朝鮮が足元を見ているというか、アメリカの弱いところをうまく突いてきているのでしょうね。

トランプさんからすれば結果を出したいけれど、全然埒が開かない。だから少しずつ認めてやるかということになって行ってしまった。「話が違うじゃないの」と言いたくなる人もいると思います。優先順位が低い。急がないとまで言ってしまっているわけだから。だったらもう少し他の方法考えてよと言いたいですよね。

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横田早紀江さん(右)と横田めぐみさんの写真を見る菅義偉官房長官=2018年10月8日、神奈川県川崎市中原区 写真提供:時事通信

拉致問題は最終的には日朝で話さなくては解決しない

新行)関連してメールもいただいております。“やっちん”さん、袖ヶ浦市の方ですね。「トランプさんは安倍さんとの電話会談で拉致問題解決の要請を受けていると思いますが、少しは解決の糸口が開けると思いますか? やはり直接安倍さんが金正恩委員長に会うしかないのでしょうか?」とあります。

宮家)トランプさんは歴代の大統領のなかでは、非常に前向きに対応してくれたと思いますよ。たださっき新聞読んでいたら、「トランプ大統領にあまり多くのことを言ってはいけない、1つのことしか言ってはいけない」と安倍総理が言っているという話が書いてありました。よく見ているなと思います。トランプ大統領にはこの拉致問題のことをガツンと言って良かったと思います。ただ、問題は、これはアメリカの問題では無く、あくまで日朝の問題ですから、最後は日本がやらないといけないと思います。そのことは安倍総理も言っているし、僕もそれは正しいと思う。僕はむしろ、米朝の話し合いがうまくいかなくなってきた時がチャンスだと思っています。いま北朝鮮はアメリカと本気で話せると思っているから、なかなか日本とは話さないかもしれない。そこは気になるところですね。

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