統計不正調査~なぜ野党は「仕組みの改善」を議論しないのか

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ニッポン放送「有本香のOK! Cozy up!」(2月19日放送)にジャーナリストの有本香が出演。統計不正調査に関わる与野党の衆院予算委での審議について解説した。

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政治 衆院予算委員会に参考人招致され、答弁を行う毎月勤労統計調査問題の特別監察委員会・樋口美雄委員長=2019年2月4日 写真提供:産経新聞社

安倍総理、統計不正調査とアベノミクスとの関連を否定

安倍総理は昨日の午後の衆議院予算委員会で、アベノミクスの成果を強調するために毎月勤労統計の不正が行われたとする野党の主張を否定した。

新行)こうして疑惑ということになって来ると、第2のモリカケなのではないかと野党が追及しているような部分もある気がします。

有本)そうですね、第2のモリカケだと有権者も我々も思っているわけですよね。大体パターンが決まっていまして、官邸から圧力があったのではないか、それで役人がという話に持って行きたいのでしょう。統計に不正があったのは由々しきことですけれど、これは安倍政権になって突然始まったことではないですからね。ですからこれは構造的な問題を明らかにして、問題解決につなげて行かないといけないわけです。安倍総理がこうしたのではないか、官邸の圧力があったのではないかと、そこではなく。「統計というものが国の状況を知るために、どのように統計が整理されて、発表されるのかという仕組み」を「どう改善するか」ということを話し合って欲しいのです。
予算委員会ですからね、またモリカケと同様に時間を費やすことによって肝心な予算審議がほとんどできていないではないかという、毎度感があって、非常に疲れる話ですよね。

新行)根本的になぜその不正が行われたのかという部分を解明して、それを改善するためにどうするのかという部分の議論は行われてないですよね。

有本)各役所で統計をとっている。そこで統計の専門官のような人を採用して、そこにずっといらっしゃるということではなくて、統計は国全体を見なければならない。ですから、その統計の専門官は役所に就くのではなく、専門職採用をしていろいろな役所を動いてもらう形にしたらどうかと思います。統計のプロであるということは、ある役所の統計でなくてもとれるわけです。ということは1人の人間がそこに入って、特定の役所ではなく、いろいろな役所に動く。そして、それをまとめるところを置く。そうすると人材そのものも育って行くし、いろいろな役所のなかでも統計というものが国全体をいろいろな角度から見るように、段々是正されて行くこともあるのではないかと思います。
実は、我々も統計データが欲しいと思って、各役所にアクセスするのですが、めちゃくちゃ縦割りです。これはこれで私は非効率ではないかと思います。いろいろな政策に反映させて行く次の手を打つ、あるいはもっと遠くまで見た国家戦略を考えるというときに、なかなか全体が掴めないことがあるのではないかと想像します。

新行)有本さんがおっしゃるように、この統計が欲しかったらこの部署というように、あちこちへと行かなくてはならなくなって来ますよね。

有本)1つのテーマを知るために、ものすごく細切れになったもの、違う様式で出て来るものを我々が集めなくてはならないということもあります。

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考え直すべき~レベルの低い予算委員会の役割

新行)関連してメールも頂いております。“瀬戸は夕凪”さんですね。「国会審議で使われている資料や総理の答弁を読んでいると、そもそも国会議員も記者も毎月勤労統計なんてちゃんと読んでいないのではないか、という疑問を持ってしまいます。野党が使っている資料は誰かに作って貰った資料なので、資料の持つ意味がよく分かっていなさそうだし、総理の説明は毎月勤労統計のグラフを説明しているだけなのに全く審議が噛み合いません。日本の国会は大丈夫ですかね」。

有本)いや、大丈夫じゃないでしょう。はっきり言って学級会以下になっているよね。だからテーマが何なのか分からなくなっていると思うし、いまどき企業だったら係長のミーティングでもあんなレベルの低い質疑はしないですよ。だからそういう意味で、予算委員会の役割を考え直すべきです。若手の与野党両方の議員から意見が出ているように、国会改革が必要だと思います。

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