米中貿易問題が長引くと日中貿易にも大きく影を落とす

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ニッポン放送「須田慎一郎のOK! Cozy up!」(2月18日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。米中貿易戦争の収束に向けて行われた米中閣僚級協議について解説した。

米中閣僚級貿易協議を前に撮影に応じるライトハイザー米通商代表部(USTR)代表(左)、中国の劉鶴副首相(中央)、ムニューシン米財務長官(右)(中国・北京)=2019年2月14日 写真提供:時事通信

米中閣僚級協議、折り合わず~今週ワシントンで協議続行

米中貿易戦争の収束に向けた閣僚級協議が先週末の2日間北京で行われたが、双方の溝は依然深く、3月1日の交渉期限内までの妥結は難しい情勢となっている。ただ、交渉が決裂し貿易戦争が深刻化する事態は米中共に望んでおらず、今週もワシントンで協議を続けることになっている。

新行)交渉期限が3月1日ということで、あと10日ほどに迫っているということですよね。

須田)香港の新聞『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』の電子版なのですが、的確な論評を15日に流しています。「アメリカが中国に要求している、国有企業への補助金廃止などの構造改革について、中国からは表面的でインパクトの弱い提案しかなかった。その内容は壊れたレコードだ」という論評です。まさにその通りで、中国側としてはアメリカからもっとたくさんの物を買い、アメリカにとっての対中貿易赤字をどう減らして行くのか、そこばかり中国側から提案があるのですが、アメリカが問題にしているのはそんなことでは無い。いちばん大きな問題点は、アメリカの企業が中国企業に、何度も組織的に企業秘密を盗まれているということなのです。それをどう防止するのか、発生した場合にどう問題決着を図るような仕組みを作って行くのかが重要なのですよ。これについてアメリカは相当怒っていますから、中国が具体的に回答をしない限りアメリカはのまないと思いますね。


米中貿易摩擦の緩和は依然として厳しい

須田)どう決着をつけるのかとなると、第三者機関的、あるいは司法機関的なものを設定して、問題が発生した場合にそこに持ち込んで判断を下してもらって、その判断に両国の企業が従うという仕組みを作らない限り無理なのですよ。しかし中国共産党は絶対にそれをのまないでしょうから、折り合いをつけるのは相当難しいだろうと思います。だから米中貿易摩擦は緩和、収束の方向に向かうと言うよりも、アメリカはどんどん不信感を募らせて行く。組織的な情報漏洩や盗難に関して、場合によっては中国共産党、中国政府も関与しているのではないかという見方を強めていますから。そういうことをやっている企業と中国政府とは一蓮托生なのですよ。アメリカサイドとしては、それにどう楔を打ち込んで行くかが1つの大きなポイントになって来ると思います。

習近平との米中首脳会談(2017年4月7日)(ドナルド・トランプ – Wikipediaより)

米中貿易問題が長引くと日本にも影響する

新行)期限がおよそ10日後の3月1日ということですけれども、この期限内には…。

須田)恐らく無理だと思いますね。3月以降にアメリカがどういった形で追加制裁をするのか、中国との貿易問題に向き合って行くのか。相当緊迫した状況になって行くと思います。

新行)期限を延長する可能性はありますか?

須田)ただ期限を延長したところで、ということになるでしょうから、アメリカサイドは譲歩を引き出すために更に対応をエスカレートさせて行く可能性もあるでしょう。これは日本も無関係ではなくて、例えば株式マーケットであるとか、日中貿易にも大きく影を落とすことになりますから、今後の展開には注目です。しかし、大きく問題改善に向かうような期待感は、あまり持たない方が良いのではないかなと思いますね。

新行)長引けば長引くほど、日本にも影響が出て来るのが痛いところでもありますよね。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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