マリモは元々丸くない? 【鈴木杏樹のいってらっしゃい】

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『植物の分野の特別天然記念物』

この分野では30件が、特別天然記念物に指定されています。

その中から『阿寒湖のマリモ』(北海道)をご紹介します。3月29日は『マリモの日』です。これは1952年(昭和27年)のこの日、阿寒湖のマリモが『特別天然記念物』に指定されたことにちなんでいます。『マリモ』は1897年(明治30年)に、植物学者の川上瀧彌(かわかみ・たきや)さんが阿寒湖で発見して、この名前が付けられました。

マリモは漢字では"毬藻"と書きますが、その名のとおり、毬のような丸い形をした藻です。"緑色のボールのような塊"をイメージされるかも知れませんが、マリモは"糸状になった藻が集まって、丸い形になったもの"です。

同じ阿寒湖の藻でも、マリモのように集まって丸い形のものもあれば、糸くずのような状態で、湖の底を漂っているもの、岩にくっ付いているものがあるそうです。阿寒湖の全ての藻が、マリモのように丸い形をしているわけではないということです。

藻同士が絡み合って、それが阿寒湖の中で底の部分が斜面になっている所を、コロコロと転がっていくうちに丸い形になっていく。そんな阿寒湖のマリモは1921年(大正10年)に『天然記念物』に指定された後、1952年3月29日に『特別天然記念物』に指定されました。

マリモは阿寒湖だけでなく、山梨県の山中湖や河口湖、日本以外ではヨーロッパ北部や北アメリカなどの、涼しい場所に生息しています。実はDNAを分析した結果、世界のマリモは阿寒湖から広がっていったことが分かりました。渡り鳥の足にくっ付いたり、食べられたフンに混じって運ばれて行ったものと考えられているそうです。

そんなマリモの天敵の1つが『ウチダザリガニ』というザリガニの仲間で、"生態系に悪い影響を及ぼす恐れのある生き物"と指定されています。(マリモを食べてしまいます)

(3/29放送分より)

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