宇都宮駅「下野山菜弁当」(700円)~ご当地ならではの列車、ご当地ならではの駅弁!

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】

宇都宮駅「下野山菜弁当」(700円)~ご当地ならではの列車、ご当地ならではの駅弁!

EV-E301系電車・普通列車、東北本線・宝積寺~岡本間

旅の醍醐味は、何といっても、ご当地ならではの風景に出逢うこと。
それは鉄道車両でも同じことです。
宇都宮周辺なら、烏山線のEV-E301系電車「ACCUM(アキュム)」。
非電化区間の烏山線(宝積寺~烏山間)をバッテリーで走ることができる電車です。
烏山線の列車は、東北本線へ直通しているため、宇都宮駅でも見ることができます。

宇都宮駅「下野山菜弁当」(700円)~ご当地ならではの列車、ご当地ならではの駅弁!

キハ40形気動車・普通列車烏山行、烏山線・大金駅(2014年撮影)

蓄電池電車「ACCUM」の登場から、早いもので間もなく5年。
この車両が登場するまでは、キハ40形ディーゼルカーの独壇場でした。
全国では今もよく見かける車両ですが、首都圏では烏山線がキハ40最後の活躍の場となったこともあり、これもまた栃木ならではの鉄道風景でした。
最末期は国鉄時代の塗装を復刻した車両もあり、ファンの郷愁を誘ったものです。

宇都宮駅「下野山菜弁当」(700円)~ご当地ならではの列車、ご当地ならではの駅弁!

下野山菜弁当

しばしば「駅弁はどうやって選んだらいいんですか?」という質問を受けますが、駅弁選びに正解は無いので、“食べたいものを選ぶ”というのが第一義だと思います。
ただ、その土地でないと買えない、他の地域にあまりない駅弁を選べたらベター。
例えば、宇都宮駅弁「松廼家」が製造・販売している「下野山菜弁当」(700円)もその1つではないでしょうか。

宇都宮駅「下野山菜弁当」(700円)~ご当地ならではの列車、ご当地ならではの駅弁!

下野山菜弁当

【おしながき】
・茶飯
・しめじ
・椎茸
・かんぴょう
・筍
・ふきのとう
・海老の天ぷら
・錦糸玉子
・酢れんこん
・甘栗
・グルテンミートのソテー
・細竹のピクルス
・しば漬け
・葉とうがらし

宇都宮駅「下野山菜弁当」(700円)~ご当地ならではの列車、ご当地ならではの駅弁!

下野山菜弁当

興味深いのは、小麦タンパクを使ったというユニークな「グルテンミートのソテー」。
「松廼家」によると、肉を使わない駅弁を作りたいという思いからグルテンミートを使用したそうで、海老の揚げ物を除いて、ほぼ植物性のおかずで貫かれた構成が特徴的です。
平成9(1997)年10月販売という宇都宮の「下野山菜弁当」、高崎の朝がゆ、横川の玄米弁当と並んで、北関東三大「癒し系駅弁」の1つに数えたいところです。

宇都宮駅「下野山菜弁当」(700円)~ご当地ならではの列車、ご当地ならではの駅弁!

205系電車・普通列車、日光線・今市~日光間

今や海を越えたインドネシアでも活躍している205系電車ですが、レトロ風の帯を巻いた車両は、宇都宮エリアでないとお目にかかることができません。
そんな世界からの観光客が多い日光にも、販売拠点を持つ宇都宮駅弁。
「下野山菜弁当」も今後の展開次第では、海外から来たお客さんにとって、心強い味方に成り得る可能性を秘めているかもしれません。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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