広島・長野 西武移籍の内海へサプライズな行動とは?

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話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。本日は、1月にFAの人的補償で緊急移籍。新天地・広島の日南キャンプに参加している、長野久義選手のエピソードを取り上げる。

広島・長野 西武移籍の内海へサプライズな行動とは?

【プロ野球広島日南キャンプ】ランチ特打と連続ティーを終えた長野久義=宮崎県日南市・天福球場 提供産経新聞

カープ投手陣も期待を寄せる長野。巨人にFA移籍した丸の人的補償として、巨人から広島へ移籍しましたが、ジャイアンツでのニックネーム「チョーさん」が、今シーズンは「赤チョーさん」に。チーム事情から、まさかの移籍を余儀なくされた長野ですが、「よく来てくれた!」と声援を送るカープファンは多く、長野もやり甲斐を感じているようです。

猛練習が売り物のカープのキャンプ。「練習嫌い」と言われていた長野がついて行けるのか? という心配もありましたが、3日目から全体練習にも加わり、カープ名物の「12カ所打撃」(12種類のバッティングメニューを次々とこなしていく過酷な練習)にも参加。約700スイング、バットを振って振って振り抜きました。

長野「バテました。最後のロングティーは疲れましたね。いい練習ができました」

7日の「ランチ特打」で、長野は移籍後初めて、現役のピッチャーを相手にフリー打撃を行いました。「ピッチャーが投げるのはストレートのみ」という条件で、4人のピッチャーと対戦。
まず、野村との勝負は、初球、インコースの球を打って、右中間に長打性の当たりを披露。9回バットを振り、ヒット性の当たりは2本でした。
続いてマウンドへ上がったのが、昨年の勝ち頭・大瀬良。実は長野、大瀬良を大の苦手としていたのです。昨シーズンまでの対戦打率は、36打数3安打で「.083」とサッパリ。
練習とはいえ、報道陣やファンの目もあります。ここは意地を見せたいところでしたが、
初球から押し込まれ、3球連続でファール。結局、8スイングでヒット性の当たりはゼロと、してやられる形になりました。こんな“天敵”も、今年からはチームメイト。公式戦で当たることはありません。

大瀬良「(この時期、打者は)目慣らしの段階ですから。長野さんとは僕の方が相性が良かったのもありましたけど、(今季から)味方になってくれたので、たくさん打ってくれると思います」

3人目の相手は一岡。くしくも、巨人から人的補償でカープ入りした選手同士の対決となりました(一岡は大竹獲得時に移籍)が、6スイングでヒット性の当たりはなし。最後の相手は、クローザーの中崎。昨年9月30日、サヨナラヒットを打った相手ですが、ここは軽く当てに行って、6スイングで1本ヒット性の当たりが出ました。

3連覇を支えた4人の主力ピッチャーを相手に、29スイングで“3安打”。まあ、目慣らしの段階としてはこんなもので、これから徐々に調子を上げていくことでしょう。

また、チームにも溶け込んでいるようで、チームメイトたちは、さっそく長野の歓迎会を盛大に開催。“気遣いの人”で知られ、ジャイアンツ時代は、いつも率先して歓送迎会の幹事役を引き受けていた長野ですが、今回は自分が主賓。たまには立場逆転もいいものです。

ところで、3日にこんなことがありました。この日、宮崎・南郷でキャンプを張る西武の投手陣が、巨人から炭谷の人的補償で西武に移籍した、内海の歓迎会を行ったのです。そのお店は日南市にあり、カープの宿舎とは目と鼻の先でした。
「ここにチョーさんもいるんだ」と嬉しくなった内海が、長野に電話を掛けると、なんと、それから30分後に長野がサプライズで登場!この素早い行動には、西武投手陣もビックリ。

長野「内海さんを、よろしくお願いします!」

そう言ってペコリ、と頭を下げ、2分間ほどで去って行った長野。なんとも彼らしい、粋な行動です。

内海「お互いに頑張ろうと(誓い合いました)。チョーさん、いい顔をしてましたね。嬉しかった」

お互い、慣れ親しんだチームを離れても、変わらぬ2人の絆。新天地での活躍に注目です。

 

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