第91回アカデミー賞、大本命はこの作品!

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【しゃベルシネマ by 八雲ふみね 第565回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、2月15日に公開となる『女王陛下のお気に入り』を掘り起こします。


優雅でエキセントリックな宮廷絵巻

第91回アカデミー賞、大本命はこの作品!
間近に迫った、第91回アカデミー賞授賞式。今年はアルフォンソ・キュアロン監督による1970年代のメキシコを舞台にした半自伝的映画『ROMA/ローマ』が、動画配信大手のネットフリックス(Netflix)の映画として初めて作品賞候補に選ばれたり、マーベル・スタジオによる『ブラックパンサー』がヒーローものの映画としては初の作品賞候補となったりと、盛り上がりをみせています。

また長編アニメーション賞に『未来のミライ』、外国語映画賞に『万引き家族』がノミネートされているのも、日本人にとっては目が離せないところ。そんななか、『ROMA/ローマ』と最多タイで10ノミネートされているのが『女王陛下のお気に入り』です。

第91回アカデミー賞、大本命はこの作品!
前評判では、主要キャストを演じた3人の女優、オリヴィア・コールマン(主演女優賞)、エマ・ストーン、レイチェル・ワイズ(共に助演女優賞)たちのノミネーションは確実視されていた本作。さらに作品賞、監督賞(ヨルゴス・ランティモス)にも名を連ね、さらには脚本賞、編集賞、衣裳デザイン賞、美術賞、撮影賞と、9部門10ノミネートの快挙を果たしました。

英国インディペンデント映画賞での作品・監督・主演女優・助演女優の主要カテゴリーを含む10部門での受賞達成を皮切りに、すでに世界の映画賞で91受賞、288ノミネートを達成。特に演技賞については主演女優賞22受賞を含む、44の演技賞受賞を果たしており、まさに“賞レースに女王あり!”といった貫禄を見せつけている作品なのです。

第91回アカデミー賞、大本命はこの作品!
舞台は、18世紀のイングランド王室。フランスとの戦争下にあるイングランドの女王アンは、気まぐれで病弱でありながらも、それでも頑なに国を守っていた。そんな彼女を巧みに操り、絶大な権力を握っていたのが、女王アンの幼馴染レディ・サラ。

ある日、没落した貴族の娘でサラの従妹にあたるアビゲイルが宮廷に現れ、アン女王の侍女として仕えることに。サラはアビゲイルを支配下に置こうとするが、実はアビゲイルは再び貴族の地位に返り咲く機会を狙っていた。戦争をめぐる政治的駆け引きが繰り広げられるなか、女王のお気に入りになることでチャンスをつかもうとするが…。

女王と女王に仕える2人の女性との入り乱れる愛憎劇。映像はあくまでも美しく、一見コミカルにも見える3人の女性たちの“三角関係”の描き方は秀逸です。

アカデミー賞授賞式は、日本時間の2月25日。オスカーの行方が気になりますね。

第91回アカデミー賞、大本命はこの作品!
女王陛下のお気に入り
2019年2月15日から全国ロードショー
監督:ヨルゴス・ランティモス
出演:オリヴィア・コールマン、エマ・ストーン、レイチェル・ワイズ、ニコラス・ホルト、ジョー・アルウィン ほか
©2018 Twentieth Century Fox Film Corporation
公式サイト http://www.foxmovies-jp.com/Joouheika/

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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