豚コレラ~感染が拡大したのは初期判断のミスから

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月7日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。愛知県で発生した豚コレラについて解説した。

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豚コレラ 豚コレラの陽性反応が出た近江八幡市の養豚場=2019年2月6日、滋賀県近江八幡市(殺処分されたと思われる豚がうつっています) 写真提供:産経新聞社

愛知県の養豚場の豚が豚コレラに感染

愛知県豊田市の養豚場の豚が家畜伝染病豚コレラに感染したことが昨日、農林水産省の発表で確認された。更にこの養豚場が出荷した施設の内、長野、岐阜、愛知、滋賀、大阪の養豚場でも感染が確認され、5府県で処分される豚は合計およそ1万6千頭に上る見通しだ。

飯田)豚コレラは豚やイノシシ特有の家畜伝染病で、肉を食べても人には感染しないのですけれども、豚に関しては発熱や食欲の減退などの症状が現れ致死率が高く、国内では1992年に熊本で発生して以来長らく確認されていなかったということです。

鈴木)「人には感染しない、食べても影響しない」ということです。人間の身体に影響があると言うと大変な騒ぎになるのですが、影響が無いからというところで、いまひとつ世論も行政の対応も危機感が足りない。それで少し後手に回っているのかなという印象を持ちます。
いま分かっているところでは、やはり今回も危機管理をミスしているみたいです。それによって最終的には何万頭もの豚が殺処分されてしまう訳でしょう。当然その業界や市場、場合によっては二次的に消費者も含めて物凄い影響が出て来る。やはり危機管理を相当しなくてはいけない。今回調べて明らかになって来たことで言うと、感染経路までは分からないかもしれないけれど、最初は岐阜と言われていますよね。

飯田)去年の秋から。

鈴木)それぐらいからこの話はありました。そして今度は年が明けて、また調べた。そうすると、ある種の菌のようなものが出て来たのだけれども、これが本当に豚コレラなのか判断を迷っていた…これが県外だった。その間に養豚場から出荷されているのです。これが各県にまたがって広がったのではないかと言われている。豚コレラのウイルスであるということはそのとき分からなくても、疑いがあるのならやはり出荷は止めるという判断をすべきですよね。営業にも業界にも影響があるということで、はっきりするまではと、そういう行政判断だったのかもしれないけれど、危機管理から考えたら絶対に間違いです。疑わしきはきちんと止める。はっきりしてから再開する。これが危機管理の鉄則です。だから、何故これを豚コレラに当てはめなかったのか、そこに先ほど僕が言った、人の身体には影響がないし、食べても問題無いし、というようなものがあるのではないかと思います。
いい機会なので、国も行政もこの豚コレラに関する危機管理を再確認すること。そして研究も含めて、今回のウイルスはどこから入って来たのか。研究費や対応予算を十分とっているのか…そういうところも見直さなくてはいけないと思います。

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